陥没乳頭

陥没乳頭とは乳頭が突出せず、乳輪より奥へ引き込まれている状態です。女性は中学生頃の第二次性徴によって乳房が発育し、それに伴って乳頭が外に出てきます。しかし10-20%の方は乳房が発達しても乳頭だけが取り残されて凹んだままのことがあります。

このような先天的な場合に加えて、もともと出ていた乳頭が後天的に陥没したような場合は悪性腫瘍との鑑別を要する場合もありますので注意が必要です。

陥没乳頭には重症度があり、一般的に3つに分類されます。

グレードIまたはIIの方は、吸引器具による保存的治療や授乳を契機に乳頭が突出する可能性が十分にあります。 しかしグレードIII相当の重症陥没乳頭の場合は、保存的治療では形態の改善が難しい場合があります。

手術によって形態を改善させる方法もありますが、術後に乳輪乳頭の組織が硬くなるため(瘢痕といいます)、形態が改善しても授乳がスムーズにいくかどうか不明な点が多いのも事実です。 陥没乳頭だから今後授乳できるか心配、という理由で手術を行うのは、検討の余地がありそうです。

ただし、陥没乳頭に伴って垢が貯留しやすくなり、乳管が閉塞して乳輪の下に膿がたまってしまうことがあります(乳輪下膿瘍といいます)。 この場合は、手術をして陥没した乳頭を突出させないと何度も炎症を繰り返してしまうことがあるので、手術治療を行うこともあります。

陥没乳頭でも授乳は十分に可能といわれています。 陥没乳頭の方で、今後の授乳に関して不安のある方は授乳指導を行っている助産師さんへご紹介することもできます。

当院は常勤女性医師が在籍しています。 自分は陥没乳頭なのではないかとお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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