地域医療フォーラムinながの(第29回地域医療懇談会)を開催しました
平成28年11月26日(土)、地域医療フォーラムinながの(第29回地域医療懇談会)を院内ホールまほろばで開催し、地域の皆さんや地域の開業医の先生方を含む約200名の参加がありました。
地域医療フォーラムは、地元住民の皆さんに医療や健康に関する話題を提供し、親しく意見を交わし、病院や地域に関する理解を深めていただくことでよりよい地域医療を提供するため毎年開催しています。
医療講演では、福家知則 心療内科・精神科部長より『うつ病と認知症について~いきいきと生活するための秘訣~』と題して、うつ病と認知症についてお話いただきました。福家先生は講演の中で、精神の病気は過去や未来について悩んだときに起こりやすいとし、「『今』ということに意識を向ける“マインドフルネス”という考え方が大切」と話され、例として気分転換に散歩に出かけたときには、歩きながら過去や未来のことを考えるのではなく、「今この瞬間」に感じる風や聞こえる音などにのみ集中するといった考え方が紹介されました。
続いて、当院周辺で開業されている3名の先生方にお越しいただき、『在宅医療の光と影』と題して行われたディスカッションでは、訪問診療や訪問看護への当院の取り組み、看取りの問題について話題提供が行われたほか、開業医の立場から在宅医療についてご意見をお伺いしました。 高齢化により通院困難な患者さんが増加し、独居や老老介護など家族の問題に加え、訪問を行う医療スタッフの人材不足が問題となっている中、当院では医師や訪問看護師、理学療法士など多職種のスタッフが協力して一人ひとりの患者さんや家庭に合わせた総合的な医療を提供しています。 また、医学の進歩により現在の在宅医療では高度医療機器を自宅で使用したり、病院で行うのと同様の検査・処置を行うことができ、在宅医療でできることは多彩なものとなっています。開業医の先生方からは、現在の訪問診療の状況や訪問看護との連携などについてご意見をいただきました。 訪問診療を受けている患者さんの多くは入院をきっかけに在宅医療に移った方や通院困難な方が多く、ほぼ全ての患者さんが訪問看護と併せて訪問診療を受けているという現状をお話しいただきました。 訪問診療は限られた時間の中で行っているため、開業医と訪問看護師との連携が重要との意見があり、緊急時など医師がすぐに対応できない場合に訪問看護師が診療で大きな役割を果たしていることが示されました。
そのほか、今年2月に竣工した災害救急強化病棟や屋上ヘリポートなどを巡る院内ツアーと、ミニレクチャーとして医療費補助制度と人間ドックの紹介が行われ、参加者は職員からの説明を熱心に聞いていました。 また、今回の医療講演のテーマである認知症に関連して、リハビリテーション部より認知症簡易テストと脳トレーニングが行われました。テンポよく左右の手を動かす脳トレーニングでは、間違えないように何度も取り組む参加者の姿が見られました。 他にも日常生活に簡単に取り入れることができるトレーニングがいくつか紹介されました。