blog

2021年2月8日

介護予防教室を開催しました(2/3)

介護予防教室を開催しました(2/3)

介護予防教室「在宅看取りという『選択』~父を自宅で看取った経験から~」を開催しました。

今回は地域医療連携課の宮澤忍看護師が、父親を自宅で介護し看取った体験談を交えて、患者本人の意思の確認や尊重の大切さについて解説しました。

宮澤看護師は以前、福岡県で家族とともに暮らしていましたが、両親が認知症や神経疾患を患い、介護が必要になったことをきっかけに、故郷である長野県に転居しました。“生まれ育った長野で家族と自宅で暮らしていきたい”という父親の希望を尊重し、宮澤看護師は妹と一緒に両親を自宅で介護することを決心しました。

厚生労働省による調査では、末期がん患者の場合、約70%は自宅、約20%は医療機関で最期を迎えることを希望しているそうです。しかし実際は約85%の患者が医療機関で亡くなっており、在宅看取りの理想と現実には大きな差があるようです。最期を迎える場所として自宅が選択されない理由は、患者と家族の意見の不一致や患者の病気が急変することへの不安などが挙げられています。

宮澤看護師は、在宅医療の訪問サービスを複数利用しながら介護を行いました。そのうち、訪問歯科衛生士による質の高い口腔ケアにより、むせることが多かった父親は好きな炭酸飲料を飲めるようになり、表情が明るくなっていったそうです。その時撮影した動画を見ながら当時のエピソードを語りました。その後、父親の病状が変化していくにつれ、宮澤看護師は看取りの準備を始めました。「急変時に訪問看護へ連絡する手順や死後のことを事前に考えておいたため、落ち着いて看取りをすることができた」と語り、「父の望み通り、自宅で最期を迎えられたことは家族にとって満足のいく結果だった」と振り返りました。

最期をどこで迎えるかの選択を間違えないように、家族で「人生会議」を重ね、患者本人の希望を確認しておくことが必要です。現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、終末期の患者でさえ家族と面会できない状況もあるといい、在宅介護や在宅看取りを選択する家族が増えているそうです。宮澤看護師は「最期を入院して迎えるか在宅で迎えるかに正解はない。介護者の健康を大事に、悩みを一人で抱えないで周りに相談してほしい」と呼びかけました。


今年度の介護者・介護予防教室は今回で全日程を終了いたしました。年度を通して多くの方にご参加いただきありがとうございました。次年度の開催は検討中ですが、詳細が決定しましたらホームページでお知らせいたします。

お問い合わせ先

JA長野厚生連

長野松代総合病院

〒381-1231

長野県長野市松代町松代183

TEL:026-278-2031

FAX:026-278-9167

お問い合わせ