2019年10月23日
介護予防教室『維持しよう。嚥下機能』を開催しました(10/9)
介護予防教室『維持しよう。嚥下機能』を開催しました。
今回はリハビリテーション部の有坂春菜 言語聴覚士が、口の中に取り込んだ水分や食物を飲み込む嚥下(えんげ)のしくみや、高齢者に多い誤嚥(ごえん)性肺炎について解説しました。
年をとると、口の中に取り込んだ水分や食物が飲み込みにくくなる「嚥下障害」の症状が出てきます。主なものとして「口からこぼれたり、口の中に残る」「飲み込んだあとに声が変わる」「食事時間が長くなる」などの症状が現れ、その中でも「むせる」症状が最も多くみられるそうです。
このような飲み込みにくさによって、脱水や栄養不良となったり、口の中の水分や食物が誤って気管に入ってしまう誤嚥や窒息が起きやすくなるなど、口の機能はどんどん衰えていきます。また、噛む力や飲み込む力が低下するということは、食べる楽しみが失われることにもつながります。
また、誤嚥により肺の中で細菌が繁殖することによって起こる「誤嚥性肺炎」は、激しい咳や色のついた痰、発熱などの症状が出ます。有坂言語聴覚士は「高齢になると口の中の自浄作用が低下するため、誤嚥性肺炎の予防には口腔ケアを行うことが必要」と説明しました。口腔ケアは、普段の歯磨きや入れ歯の手入れだけではなく、唾液の分泌を促進することも有効です。
次に、参加者の皆さんと一緒に、飲み込みに必要な筋肉を鍛える“嚥下体操”を行いました。参加者の皆さんは有坂言語聴覚士の説明を受けながら、首・肩・顔(口のまわりや頬)・舌を動かして筋肉を鍛える体操や、はっきりとした発音で歌を歌う口の体操を行いました。
参加者の方からは、「これから気を付けていきたい内容だった。毎日口腔ケアを頑張りたい」「母を介護しているので、とてもためになった」との感想をいただきました。
介護者・介護予防教室は、介護方法の知識の習得や、高齢者ができるだけ要介護認定を受けず健康でいきいきとした生活を送ることを目指し、5月から11月の毎月2回程度(年12回)開催しています。本年度の介護者・介護予防教室の日程や詳細については下記のページをご覧ください。
次回 10月23日(水)10:00~ 松代公民館
介護予防教室『食事から学ぶ』
講師 栄養管理部 穂苅麻衣子 管理栄養士