2022年12月13日
介護者教室を開催しました(12/7)
介護者教室『ACP(人生会議)~いのちの終わりを話し合いましょう~』を開催しました。
今回は地域医療連携課の滝澤秀敏 社会福祉士が、人生の最終段階における医療・ケアについての希望を話し合う「人生会議」をテーマに、実践を含めて解説しました。
「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」とは、もしもの時に備えて人生の最期に受けたい医療やケアについて、自分自身の意思や希望を家族など信頼できる周囲の人たちと繰り返し話し合っておく取り組みのことです。人生の最期は、本人の意思に沿って「その人らしく」迎えることが理想的ですが、自分自身の意思を言葉で伝えられない場合や意思決定能力が低下している場合には、家族や医療者などが本人の思いを推測して医療・ケアを選択することになります。そのような場合に備え、本人と家族、医療者などが医療行為やケアの選択をする際の助けとなるように事前に話し合って文書で共有しておくことが大切です。
講義では、長野市が作成した人生会議についてのパンフレットと、自分の思いを書き込める用紙を使い、参加者が実際に自分自身の考えを書き留める時間も設けられました。“人生の最期まで大切にしたいことは何か?”“自分の代わりに意思決定をしてくれる人は誰か?”“最期にどのような医療を受けたいか?”といった、健康なときにはあまり考えることのない問いをじっくり考えている参加者の姿が見られました。
誰もが迎える死を“縁起でもないこと”と避けず、前向きに話し合っておくことで、本人だけではなく残された家族も「よい選択ができた」と思えるようになります。時間の経過や健康状態の変化によって自分の考えは変わっていくため、自分の思いの記録は何度も書き直してよいものです。滝澤社会福祉士は「大切なのは繰り返し話し合うこと」と説明し、周囲の人とともに悩み、思いを共有していくことが必要と強調しました。
*今回の講義で使用した人生会議についてのパンフレットと記入用紙は、長野市ホームページでダウンロードすることができます。