体表に生じた「いぼ」や「しこり」の治療
皮膚にできた「いぼ」や「しこり」についてまず皆さんが相談するのは皮膚科が多いと思いますが、塗り薬や飲み薬では治らず、「切って取る必要のあるもの」については、われわれ形成外科で治療を行っています。形成外科は、言ってみれば、「皮膚の外科」です。
良性のもので多いのは、粉瘤、脂肪腫、脂漏性角化症(老人性いぼ)、尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)、色素性母斑(ほくろ)などです。
形成外科では、切開する長さ、向き、縫い方、抜糸後のケアの指導など一つ一つを丁寧に行い、「治療後にいかに目立たない傷あとにするか」にこだわっています。皮膚の表面をただ縫うのではなく、「中縫い」と言って、見えない部分に溶ける糸で縫合を行うことで、皮膚表面にかかる力を緩和し、傷あとの幅が太くなったり、ふくらんだりして目立つことがないように工夫しています。これは形成外科であれば日常的に行っている処置です。細い糸でしめつけ過ぎないように縫うことも目立ちにくい傷あとにするために大切です。
またメスで切りとるだけでなく、高周波メスや炭酸ガスレーザーなどの機器を用いて治療した方が、傷あとが目立たなかったり、治療の負担が少ない場合もあります。
このように、形成外科では「できもの」がたとえ良性のものであっても、ただ「取る」のではなく、いかに「きれいに取るか」を考えて治療を行っています。