形成外科
初診の際、紹介状をお持ちでない患者さんには健康保険の初診料とは別に、初診に関わる「選定療養費」として2,500円(税込)がかかります。
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診療科の特色
形成外科では、主に体表に生じた変形や組織欠損などの形態異常に対する治療を行っています。形態的、機能的にできるだけ元に近い状態に回復させることで、患者さんのQOL(生活の質)を向上させることを目指しています。
対象疾患
熱傷、顔面外傷、四肢外傷(切断指、挫滅創など)、小児先天性疾患、皮膚良性・悪性腫瘍、乳癌術後の再建、瘢痕・ケロイド、褥瘡・難治性潰瘍、眼瞼下垂症、腋臭症、巻き爪、美容診療(しみ治療など) ほか
おもな手術・治療
熱傷 (やけど)
浅いやけど、小さいやけどの場合は、できるだけ短期間で治癒し目立つ傷あとが残らないように、自宅での処置方法やアフターケアについて指導しています。 深いやけどの場合は、皮膚移植術などの外科的治療を行います。 瘢痕拘縮(傷あとによるひきつれ)が生じた場合には、拘縮形成手術(つっぱりやひきつれを和らげるための手術:皮弁法、皮膚移植など)を行います。
顔面の外傷 (顔のけが)
顔のすり傷、切り傷などの処置を行います。 できるだけ傷あとが残らないように縫合方法を工夫し、治ったあとのケア(日焼け予防、テーピングなど)についても指導しています。 顔の骨折(鼻骨、頬骨、眼窩壁など)の整復手術も行っています。
四肢の外傷 (手足のけが)
手指や足のけがの処置(主に皮膚のきず)を行います。犬に咬まれた、トゲが刺さった、ドアに指をはさんだ、爪をひっかけて取れてしまった、などのちょっとした怪我でもお気軽にご相談ください。 指の切断や挫滅創(損傷のひどい傷)、神経損傷、組織欠損などに対する手術治療も行っています。
皮膚、軟部組織の良性腫瘍 (ほくろ、いぼ、しこり、できもの、はれもの)
粉瘤、脂肪腫、色素性母斑(ほくろ)、尋常性疣贅(ウイルスいぼ)、脂漏性角化症(老人性いぼ)、グロムス腫瘍、神経鞘腫など、皮膚や皮下に生じる良性腫瘍の切除手術を行います。
皮膚悪性腫瘍 (皮膚がん)
ダーモスコピーや皮膚生検により、皮膚がんの診断をします。 腫瘍の切除により大きな組織欠損が生じる場合には、皮弁法や皮膚移植により傷をふさぎます。整容面に配慮した治療を行っています。
乳がん手術後の乳房再建
当院は2014年6月に乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施施設に認定されました。 乳腺外科と連携し、乳癌の治療後に生じた変形に対する再建手術を行っています。
陥没乳頭
乳頭が乳輪より奥に引き込まれていると、授乳がうまくできなかったり、乳輪の下に膿が溜まり(乳輪下膿瘍)、腫れや痛みを繰り返すことがあります。 乳頭保護器具の装着や乳頭形成手術によって症状を改善することができます。
小児先天性疾患
生まれつき体表に生じた変形に対する治療を行います。 副耳、埋没耳手術、多指症手術、臍形成手術(臍ヘルニア、臍突出症)、先天性眼瞼下垂症手術などを行っています。
褥瘡・難治性潰瘍 (床ずれや治りにくい傷)
褥瘡(床ずれ)は、軟膏治療や手術療法、局所陰圧閉鎖療法といった傷のケアだけでなく、栄養管理やリハビリ、適切なポジショニングなどが必要であり、多職種が連携して治療にあたります。 また糖尿病性足病変、下肢の血流障害による潰瘍などの治りにくい傷に対して、複合的な治療を行っています。
瘢痕、ケロイド (傷あと)
傷あとのひきつれ、ふくらみ、かゆみなどの症状に対して、外用療法、圧迫療法、注射、手術など症状に合わせて治療を行っています。
眼瞼疾患 (眼瞼下垂症、睫毛内反症:逆さまつげなど、まぶたの病気)
眼瞼下垂症では、皮膚のたるみや、まぶたを開けるための筋肉(挙筋腱膜)のゆるみなど、原因に応じて適切な手術方法を選択しています。
手術により目が開けやすくなり、視界が明るくなります。
睫毛内反症(逆さまつげ)や下眼瞼内反症では、目がゴロゴロする感じがする、涙や目やにが多いなどの症状があります。
手術によってまつげや皮膚が目の表面にあたらないようになると、このような症状が改善します。
原発性腋窩多汗症 (わきの汗)、腋臭症 (わきが、わき汗のにおい)、原発性手掌多汗症 (手汗)
多汗症(汗が多い症状)には塗り薬や注射の治療、腋臭症(わきが、においが強い症状)には手術療法があります。
爪変形 (巻き爪、陥入爪、肥厚爪)
巻き爪に対するワイヤー治療、陥入爪手術(フェノール法、ガター法、部分抜爪)を行っています。
痛みはないものの、自分で爪を切ることが難しい方のために、自費で爪切り処置を行っています。
おもな医療機器
超音波診断装置、高周波メス、中周波治療器(デルマトロン)、光治療器(IPL)、炭酸ガスレーザー、ドップラー血流計
美容外来
美容外来は完全予約制で診療を行っています。
ご予約・お問い合わせ受付時間 : 平日(月曜日~金曜日)15時~17時
TEL:026-278-2031(代表)
美容外来は自費診療となりますので、一般形成外科(保険診療)と美容診療(自費診療)を同一日に行うことはできません。
診療内容
- しみ治療(IPL、デルマトロン、外用・内服治療など)
- しわ・たるみ治療(ヒアルロン酸、ボトックス)
- 肌質改善(ケミカルピーリング、ビタミンCイオン導入など)
- いぼ・ほくろ除去(炭酸ガスレーザー、デルマトロンなど)
- 脱毛
- ピアス穴あけ
詳細は美容外来ページをご覧ください。
診療実績
2022年度 : 810件 (入院手術 155件 <うち 全身麻酔 25件>、外来手術 655件)
熱傷 | 2件 |
顔面外傷 | 5件 |
四肢外傷 | 178件 |
先天異常 | 3件 |
良性腫瘍 | 335件 |
悪性腫瘍・再建 | 18件 |
難治性潰瘍 | 7件 |
眼瞼疾患 (眼瞼下垂、睫毛内反 ほか) | 38件 |
爪疾患 | 82件 |
美容治療 | 567件 |
ほか。
診療体制
常勤医師3名で診療を行っています。必要に応じて専門施設をご紹介させていただきます。
形成外科専攻医研修プログラムについて
当院は信州大学附属病院、富山大学附属病院、横浜市立大学附属病院、横浜市立大学附属市民総合医療センターを基幹病院とした連携施設となっています。
初期臨床研修修了後に形成外科の道へ進むことを考えている医学部生の見学も歓迎いたします。大学病院とは異なる一般病院での形成外科診療を経験することができます。
National Clinical Database への症例登録について
当科では、体系的に登録された情報に基づいて、医療の質改善に向けた検討を継続的に行うことを目的にNCD(National Clinical Database)への症例登録を行っております。
診療最前線
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長野松代総合病院だより 第102号(2017年1月10日発行)
- 外傷
- 皮膚・軟部組織腫瘍
- まぶた(眼瞼)の病気
- 爪の異常
- 美容診療
知っておきたい診療技術
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長野松代総合病院だより 第92号(2014年7月1日発行)
- 高周波ラジオ波メスによる腫瘍切除
- 傷あとのケア
- 巻き爪に対するワイヤー治療
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長野松代総合病院だより 第106号(2018年1月1日発行)
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今年こそ始めよう!しみのケア
- 適切なスキンケア
- 中周波治療器 デルマトロン
- 光治療器 フォトブライト
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今年こそ始めよう!しみのケア
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長野松代総合病院だより 第111号(2019年4月1日発行)
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皮膚のできもの(ほくろやいぼ)
- 切除縫合
- 中周波メス(デルマトロン)による治療
- 炭酸ガスレーザーによる治療
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汗の病気
- 原発性腋窩多汗症
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皮膚のできもの(ほくろやいぼ)
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長野松代総合病院だより 第124号(2022年夏号)
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しわ・たるみの治療
- スキンケア
- IPL(光治療)
- ボツリヌス療法(ボトックス)
- ヒアルロン酸注入療法
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しわ・たるみの治療
教えて!ドクター
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長野松代総合病院だより 第95号(2015年4月1日発行)
- 粉瘤(アテローム)について
スタッフ紹介
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- 形成外科部長
- 2005年医師免許取得
- 日本形成外科学会専門医・領域指導医
- 皮膚腫瘍外科分野指導医
- 日本創傷外科学会専門医
- 乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
- 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
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- 形成外科主任医師
- 2011年医師免許取得
- 日本形成外科学会専門医
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- 形成外科医師
- 2022年医師免許取得