人工関節センター
診療科紹介
人工関節センターは、成人の変形した関節の再建手術のために、多職種のスタッフが集学的に連携しながら外来診療・術前準備・入院治療・リハビリテーションを行い、さらに手術後も長期にわたって快適に生活していただくための診療および助言等を行う部門です。
対象疾患
変形性関節症・関節リウマチ・外傷後などによる変形・変性により、疼痛・不安定性・可動域制限をきたし、日常生活や仕事に不自由をきたす病態が対象です。
診療実績
手術方法と使用している機種 (2014年1月~2023年3月)
- 人工膝関節全置換術 : 1,486件(95%以上は後十字靭帯温存セメントレス機種使用)
- 人工膝単顆置換術 : 234件(前、後十字靭帯温存内側化のみ置換機種使用)
- 人工股関節置換術 : 690例(セメントレス機種使用、初回手術 540件/他医からの依頼 再置換術 153件)
診療の特色
術後の定期的な診察と良好な長期成績
特に膝関節と股関節の下肢関節に対する人工関節の症例が多く、1986年以降、約4,500例を超える手術を行っており、そのほとんどの症例は終身にわたり定期的な診察を受けています。 当院で初回手術を受けた患者さんは再手術例が極めて少なく、術後20年を超えた良好な長期成績は国内外の学会・論文で発表されており、Center of Excellence for Adult Reconstruction としての評価も高く、国内からの研修も受け入れています。
多職種連携集学的治療
人工関節を受けていただく方には高齢者やいくつもの合併症を抱える患者さんが多いため、かかりつけ医の先生方とも連携をとり、循環器内科での心機能評価や歯科口腔外科での周術期口腔機能管理を行うなど、より安全に手術が行えることを重視し厳格な術前・術後管理を心がけています。 手術説明には十分な時間をかけ、ご本人・ご家族が人工関節手術や合併症について御理解いただけるよう努めています。
患者さん一人一人への丁寧な対応と適切な機種選択
人工関節は長期耐用性、成績が最重要と考えています。当センターでは一人一人の患者さんの仕事や望む活動など背景まできめ細かに対応し、人工関節以外の治療(骨切り術等)も含めてその患者さんに最も合った治療法を提示しています。 このように丁寧な診療を行うように心がけているため、手術決定から手術までの術前検査や準備には6週間以上の期間を頂いております。 人工関節手術では、最初の手術での (1)手術手技 (2)機種選択 (3)患者指導が、その後の長期治療効果を左右する最も大切な因子であり、そのことを理解して、手術待ちにも協力いただいております。
膝関節における人工関節手術では、基本的に患者さんの関節のうち変形し障害を来たした部分のみを人工関節に置換し、極力自分の組織を温存して機能を発揮できる術式を選択しています。 そうすることで術後の関節機能が良好になり、患者さん自身の『人工物に対する違和感』の軽減がはかれると考えています。
特に人工膝関節単顆置換術は全置換術と比して低侵襲であり、この術式のパイオニアの施設として、適応があれば積極的に選択しています。 また、両側同時手術も以前から採用しており、症状の改善のみならず結果として入院期間の短縮等、医療財源の軽減にもなっています。
股関節では、人工関節に代わる優れた治療成績を得られる手術法が少ないために、比較的若い年齢の方への手術機会も増えました。 そのために長期耐久性とともに術後の活動性の高い生活に対応した術式・機種の選択および術後指導、そして定期診察を行っています。 体に対しての負担・侵襲を軽減するために、2012年から前方アプローチを取り入れており、さらなる早期復帰を目指しております。
当センターで初回手術を受けた人工関節置換術では、術後診察をきちんと受けている患者さんでは20年以上の実用的な耐用年数が実績から証明されています。 後期高齢者でも望む活動に復帰できるような安全な治療を目指しております。
整形外科治療専門サイト「人工関節ドットコム」に、人工関節センター長 中村順之医師のインタビュー記事が掲載されています。ぜひご覧ください。
診療体制
診療は、コメデイカルを含めたチーム医療を行っています。 下肢関節(股関節、膝関節、など)と上肢関節(肩関節、肘関節)の専門医師が主治医として、術前から手術、術後の診察まで一貫した診療を行っています。
スタッフ紹介
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- 人工関節センター長
- 1999年医師免許取得
- 日本人工関節学会認定医
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
- 日本整形外科学会スポーツ医
- 麻酔科標榜医
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- 人工関節センター副センター長
- 2006年医師免許取得
- 日本人工関節学会認定医
- 日本整形外科学会専門医
- 日本リウマチ学会リウマチ専門医
- 日本整形外科学会スポーツ医
- 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
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- 人工関節センター医師 (統括院長)
- 1986年医師免許取得
- 日本整形外科学会専門医
- 日本手外科学会認定手外科指導医・専門医
- 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
- 日本リウマチ学会リウマチ指導医・専門医
- 日本リハビリテーション学会指導医・専門医・認定臨床医
- 日本医師会認定産業医
- 麻酔科標榜医
- 信州大学医学部臨床教授
- 医学博士(信州大学)
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- 人工関節センター医師
- 元長野松代総合病院 診療部長 兼 関節・整形外科部長
- 信州大学医学部附属病院 リハビリテーション科診療部長(併)教授
- 1992年医師免許取得
- 日本整形外科学会専門医
- 日本整形外科学会脊椎脊髄病医
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- 人工関節センター
- リハビリテーション部技師長
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- 人工関節センター
- 外来看護責任者
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- 人工関節センター
- 病棟看護責任者
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- 人工関節センター
- 中央手術部看護責任者
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- 人工関節センター
- 入院説明センター責任看護師