消化器外科・消化器内視鏡外科
診療科の特色
消化器外科・消化器内視鏡外科では、消化器疾患の診断と外科的治療を行っています。 消化器は食道、胃、小腸、大腸、そして肝臓、胆嚢、膵臓などがあり、食物の消化や吸収、栄養物の代謝に関係する臓器です。 診療は消化器外科医師が中心に行っていますが、消化器内科医師、さらに看護部、診療放射線部、臨床検査病理部、内視鏡室スタッフなどの診療部および医療技術部との連携をスムーズに行うことにより、患者さんに良質な医療を提供できるように心がけています。
対象疾患
上部消化管疾患
食道癌、食道アカラシア、胃癌、その他の胃腫瘍(胃GISTなど)、十二指腸癌など
下部消化管疾患
小腸腫瘍、腸閉塞、急性虫垂炎、結腸癌、直腸癌など
肝胆膵脾疾患
肝癌(原発性、転移性)、胆嚢癌、胆管癌、膵癌、胆石症、急性胆嚢炎、慢性膵炎など
診療実績・おもな手術と症例数
2023年度
胃癌 | 22件 |
腹腔鏡下幽門側胃切除術 | 4件 |
結腸癌・直腸癌 | 37件 |
腹腔鏡下結腸・直腸切除術 | 29件 |
腸閉塞・結腸穿孔 | 53件 |
急性虫垂炎 | 27件 |
腹腔鏡下虫垂切除術 | 12件 |
原発性肝癌・転移性肝癌 | 13件 |
膵癌・胆道癌 | 13件 |
腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 47件 |
診療の特色
消化器外科・消化器内視鏡外科における術前検討会を行い、手術治療方針を決定しています。 手術療法のみならず、化学療法も現時点における標準治療、現行のガイドラインに示されている推奨度の高いレジメンを選択し実行しています。 新規治療薬の使用など、癌治療の個別化にも柔軟に対応しています。
得意分野
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胃癌
手術療法は胃切除+D2リンパ節郭清(定型手術)が標準です。 また、内視鏡的治療の対象とならない早期胃癌に対しては、現行のガイドラインに示された縮小手術を行っており、原則として腹腔鏡手術を行っております。 術前化学療法は高度リンパ節転移を伴う局所進行胃癌、サイズの大きいびまん浸潤型胃癌に対して行っています。 また、切除不能進行・再発胃癌に対してはガイドラインに基づいた治療法を選択し、生存率の向上を目指しています。 -
結腸癌・直腸癌
手術療法は大腸切除+D3リンパ節郭清が基本です。 腹腔鏡下手術はステージⅢまで適応を拡大しています。 多発肝転移を有する場合も、積極的な肝切除を行い根治、長期生存を得る症例が増えています。 切除不能進行・再発大腸癌に対しては、ガイドラインに準じた化学療法を行っています。 大腸癌では使用可能な薬剤を使い切ることが生存率の向上につながるとされており、十分なインフォームド・コンセントを行い実行しています。 -
急性虫垂炎
原則として腹腔鏡手術を行っています。 傷がほとんど残らない、日常生活に早く戻れるなど多くの利点が得られています。 -
胆石症
腹腔鏡手術を行っています。 急性胆嚢炎に対しても、現行の診療ガイドラインに基づき、早期手術(腹腔鏡手術)が可能な体制です。 -
肝胆膵悪性腫瘍
肝細胞癌に対しては、治療アルゴリズムに基づき、治療方針を決定し、積極的な肝切除術を行っています。 手術関連死亡の高い高難度手術と言われる肝切除において、現在の体制になって以降、手術関連死亡ゼロを継続中であり、安全性と根治性が両立した手術を行っています。 また、大腸癌などの肝転移症例に対しても適応症例に対しては積極的に切除を考慮します。 当初、切除不能と診断されても化学療法が奏功した後、積極的に肝切除を行う症例が着実に増えています。 胆道癌、膵癌に対しても治療アルゴリズムに従い、高難度手術(膵頭十二指腸切除など)を安全に行っています。
また肝細胞癌境界病変、切除の可否の判断が難しい転移性肝癌、膵内分泌腫瘍、膵嚢胞性腫瘍など他院で手術適応に迷う疾患に対しても、肝胆膵領域の専門医が適切な治療方針、観察方針をアドバイスすることも可能です。
診療体制
外科学会、消化器外科学会、消化器内視鏡学会の指導医・専門医を中心に外科後期研修医、および初期研修医とチームを組んで診療を行っております。 消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医の資格を有するスタッフを中心に、レベルの高いがん診療を行っています。 各医師は外科学会、消化器外科学会、癌治療学会、内視鏡外科学会、肝臓学会、臨床外科学会などの各学会に所属し、学術集会・総会にも積極的に演題を発表して当院データの全国への発信と最新情報の収集に努めています。 外来は外科・消化器病センターで毎日午前中に行っています。 全身麻酔の手術日は月~木曜日です。
診療最前線
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長野松代総合病院だより 第100号(2016年7月15日発行)
- 大腸がん
- 胃がん
- 膵がん
- 肝がん
- がん治療中のサポート
- 胆のう結石症・胆のう炎
- そけい部ヘルニア
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長野松代総合病院だより 第114号(2020年1月1日発行)
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日本人の死亡原因は悪性腫瘍(がん)が最多であり、年間に約37万人の方が、がんで亡くなっています
- 大腸がん
- 胃がん
- 膵がん
- 肝がん
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悪性腫瘍以外の疾患の治療について紹介します
- 胆のう結石症・胆のう炎
- そけい部ヘルニア
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日本人の死亡原因は悪性腫瘍(がん)が最多であり、年間に約37万人の方が、がんで亡くなっています
スタッフ紹介
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- 消化器外科統括部長 (副院長)
- 消化器病センター長
- 1993年医師免許取得
- 日本外科学会専門医・指導医
- 日本消化器外科学会専門医・指導医
- 消化器がん外科治療認定医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 日本肝臓学会専門医
- 日本消化器病学会専門医・指導医
- 日本医師会認定産業医
- 信州大学医学部臨床教授
- 医学博士(信州大学)
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- 消化器外科部長
- 消化器病センター医師
- 1997年医師免許取得
- 日本外科学会専門医
- 日本内視鏡外科学会技術認定医
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- 消化器外科主任医師
- 消化器病センター医師
- 2016年医師免許取得
- 日本外科学会外科専門医
- 日本消化器外科学会専門医
- 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
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- 消化器外科医師
- 消化器病センター医師
- 2002年医師免許取得
- 日本外科学会専門医