乳腺・甲状腺センター
センター紹介
当院の外科は、特徴ある専門外来として乳腺外来と甲状腺外来を長年行っており、乳癌、甲状腺癌の治療のほかに内科的甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病、亜急性甲状腺炎)も多数取り扱っています。
「乳腺・甲状腺センター」では、2人の乳腺内分泌外科医を中心に、特に急増している乳癌を中心に化学療法・緩和ケア・麻薬管理・疼痛管理・リハビリテーションなど院内の各分野の専門家が集まり、チームで総合的に患者さんの治療の支援を行います。 さらに乳房再建は形成外科医が中心となり患者の希望に応じて行います。 精神的サポートは認定看護師、ケースワーカーが中心となり行います。
対象疾患
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乳腺疾患
乳癌 乳腺線維腺腫 乳腺葉状腫瘍 乳腺炎 女性化乳房 など -
甲状腺疾患
甲状腺癌 甲状腺腺腫 バセドウ病 慢性甲状腺炎 亜急性甲状腺炎 副甲状腺疾患 など
得意分野とおもな手術・症例数
乳癌
長野市他市町村からの委託を受けて、マンモグラフィおよび超音波検査による乳癌の1次検診を年間2000人以上引き受けています。さらに2次検診として針生検(細胞診および組織診)による早期乳癌の発見に貢献しています。マンモグラフィ撮影および超音波検査は全て女性技師が行い、女性が受診しやすい体制にしています。
原発性乳癌は、3.0テスラのMRI検査を使用して乳管内進展を術前評価し、乳房温存率は約40%です。 早期乳癌は病理医の協力を得て乳房温存とセンチネルリンパ節生検(一部のリンパ節だけを切除)を行い術後の浮腫、機能障害の予防を行っています。 進行乳癌に対しては術前化学療法を積極的に行い良好な成績を上げています。 外来化学療法室にて安全に快適に術前、術後の化学療法を昨年は約30人に行いました。
さらに乳房再建は形成外科医と協力して1期的、2期的に行っています。
甲状腺癌
原発性甲状腺癌は昨年は9件で、重大な合併症はなく、術後の癌死は1%以下と良好です。 手術だけでは治らない悪性度の極めて高い未分化癌や低分化癌は信州大学と協力して治療にあたっています。
その他
まれな良性疾患として副甲状腺疾患やバセドウ病の外科治療も年間数例施行しています。
診療実績
2023年度
原発性乳癌 | 60件 |
原発性甲状腺癌 | 9件 |
原発性副甲状腺機能亢進症 | 9件 |
乳腺針生検術 | 184件 |
甲状腺針生検術 | 59件 |
陥没乳頭形成術 | 3件 |
バセドウ病 (新患) | 30件 |
慢性甲状腺炎 (新患) | 66件 |
亜急性甲状腺炎 (新患) | 13件 |
女性化乳房 (新患) | 1件 |
診療体制
外科的治療は、日本外科学会専門医、日本乳癌学会認定医および検診マンモグフィ読影認定医の資格を併せて持つ担当医および検診マンモグラフィ読影認定医が診断・治療を行います。 術後のリハビリテーションは作業療法士が協力して行います。 化学療法は入院・外来ともがん専門の薬剤師、がん化学療法認定看護師と協力して行います。乳房再建(1期・2期)は形成外科専門医が中心となり行います。 緩和医療はがん性疼痛認定看護師、緩和ケア認定看護師が行います。 さらに様々な患者さんの生活サポートの相談には医療ソーシャルワーカーが協力します。
診療最前線
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長野松代総合病院だより 第89号(2014年10月1日発行)
- 乳腺内分泌外科で診療する病気
- 当院の治療の特色
- 当院の乳房再建について
- 乳がんの予防および検診について
スタッフ紹介
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- 乳腺・甲状腺センター長
- 乳腺内分泌外科部長
- 2002年医師免許取得
- 日本外科学会専門医
- 日本乳癌学会乳腺認定医
- 検診マンモグラフィ読影認定医
- 乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施医師
- 医学博士(信州大学)
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- 乳腺・甲状腺センター医師
- 形成外科部長
- 2005年医師免許取得
- 日本形成外科学会専門医・領域指導医
- 乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
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- 乳腺・甲状腺センター医師
- 乳腺内分泌外科医師 (名誉院長)
- 1979年医師免許取得
- 日本外科学会専門医・指導医
- 日本臨床外科学会(評議員)
- 日本乳癌学会乳腺専門医・指導医
- 日本甲状腺学会専門医(評議員)
- 日本内分泌外科学会専門医・指導医
- 日本内分泌外科学会(評議員)
- 日本内分泌学会(代議員)
- 検診マンモグラフィ読影認定医
- 日本農村医学会(評議員)
- 日本医師会認定産業医
- 信州大学医学部外科臨床教授(兼)
- 清泉女学院大学人間学部非常勤講師(兼)
- 医学博士(信州大学)
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- 薬剤師
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- 作業療法士
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- 緩和ケア認定看護師
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- がん化学療法認定看護師
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- がん性疼痛看護認定看護師
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- 医療ソーシャルワーカー(MSW)