栄養サポート・口腔ケア
よりよい食生活のお手伝い
食事はがん患者さんが生活の質を維持、向上させていくための基本です。手術の合併症予防や抗がん剤、放射線療法の治療を継続していくためには栄養や食事はとても大切です。
がん患者さんでは様々な原因で「食欲がない」「食事がおいしくない」「食べる気にならない」こともしばしばあり、また抗がん薬に伴う味覚や臭覚の変化、吐き気、嘔吐、口内炎、下痢、便秘、膨満感などさまざまな原因で食欲不振になることがあります。
食欲不振が続くと体重が減少します。ある程度はやむを得ませんが減りすぎるのは問題です。食べられずに体重が落ちてしまうと抗がん剤の治療も困難になってきてしまいます。
当院では管理栄養士が、手術の後はもちろん手術の前からがん患者さんやご家族の個々の症状に対応した栄養や食事づくりの相談に積極的にかかわり、治療効果を高めるよう、またよりよい食生活を送っていただくためのお手伝いをいたします。
口腔ケアはがん治療の入り口
当院では医科と歯科が連携し、がん治療前後に口腔ケア(歯石除去や虫歯の治療など)を行っています。なぜ口腔ケアを必要とするのでしょうか?それは、がん治療(手術・化学療法・放射線療法)の後には、口内炎や肺炎など様々な合併症が高い頻度でみられ、その原因が口腔内の細菌が関与していると考えられているからです。
治療前から口腔ケアを行うことは、手術後の創部感染や肺炎、化学療法後に4割の患者さんに出現すると言われている口内炎などの合併症を予防するために、重要な役割になります。
実際、口腔ケアを行った患者さんと口腔ケアを行わなかった患者さんを比較すると、口腔ケアをやった患者さんは術後の合併症の出現が、明らかに低いことが報告されています。
このように、口腔ケアを行い合併症を予防することにより、食事の早期開始や早期回復につながり、結果的に入院期間が短くなることもあります。
以下に当院における口腔ケアの流れを図示します。