
令和元年度 長野松代総合病院 病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞のICD10別患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 42 | 135 | 149 | 150 | 327 | 491 | 907 | 1,797 | 1,609 | 586 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 58 | 23.03 | 20.84 | 12.07 | 85.90 | |
110310xx99xx0x | 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし | 51 | 12.71 | 12.58 | 1.96 | 76.37 | |
110310xx99xx1x | 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病あり | 25 | 21.72 | 23.02 | 8.00 | 89.04 | |
060380xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし | 22 | 4.55 | 5.39 | 0.00 | 49.41 | |
100070xx99x100 | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 | 18 | 11.94 | 13.72 | 0.00 | 62.78 |
当院内科での入院患者の上位は誤嚥性肺炎、尿路感染症、腸炎と感染症で占められています。 これは入院患者さんの大半を高齢者が占めているためです。 出来るだけ住み慣れた場所に戻れるよう、また入院によりADLの低下が懸念されますので、早期治療、早期退院を目指しています。 ただ高齢者の誤嚥性肺炎、尿路感染症は繰り返します。 患者さんの高齢化と合わせて、誤嚥性肺炎の平均在院日数は23日となっています。難治例もあり転院率も増加しています。 糖尿病の患者さんも多く、高血圧症などとともに生活習慣病のコントロールが重要となっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110310xx99xx0x | 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし | - | - | 12.58 | - | - | |
010080xx99x001 | 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 12.00 | - | - | |
010090xxxxx00x | 多発性硬化症 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 14.46 | - | - | |
010160xx99x00x | パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 17.72 | - | - | |
010110xxxxx00x | 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 11.32 | - | - |
手足がふるえ、動きが遅くなるパーキンソン病は、100人に1人と決して少なくない病気です。 肺炎や尿路感染症、ストレスなどで悪化するため、短期間集中リハビリ入院をします。 一方、発熱・頭痛・頸部痛などで発症する髄膜炎・脳炎・ギランバレー症候群などの急性発症の病気や、悪化を予防することが必要な多発性硬化症は、早期発見、早期治療が大切です。 専門医が常にいる病院であれば検査、治療が早く行えます。
神経内科には数時間~数日の急性期治療と数年~数十年の慢性期治療の重要な病気が混在し、いずれも検査、点滴治療、リハビリが重要です。 特に慢性期治療は、長野市内・長野県内の急性期病院とリハビリ病院などが連携を取り合った上で治療が受けられるようになっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎手術なし手術・処置等2なし副傷病なし | 52 | 21.12 | 20.84 | 17.31 | 87.54 | |
030250xx990xxx | 睡眠時無呼吸手術なし手術・処置等1なし | 50 | 2.00 | 3.22 | 0.00 | 51.52 | |
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸手術なし手術・処置等1あり | 29 | 2.00 | 2.03 | 0.00 | 53.79 | |
110310xx99xx0x | 腎臓または尿路の感染症手術なし副傷病なし | 28 | 17.14 | 12.58 | 7.14 | 81.89 | |
0400801499x001 | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)手術なし手術・処置等2なし副傷病なしA-DROPスコア1 | 25 | 14.36 | 12.58 | 8.00 | 81.12 |
高齢化社会を反映して、入院患者の平均年齢は当科でも上昇の一途をたどっています。 加齢による嚥下機能の低下は誤嚥性肺炎を引き起こす要因で、その入院数は増える傾向にあります。 介護者も高齢・単身である割合が増えており、退院調整に多くの力を注いでいます。 患者本人だけでなく、家族も含めて、必要な補助、知識を得るための手助けを病院として行うよう努めています。 呼吸器科に特化した疾患として、間質性肺炎の入院加療も行っています。 間質性肺炎に対する抗線維化剤を積極的に導入する傾向はさらに強まり、間質性肺炎の入院患者数は数年前と比べて増加しています。 生活が欧米化したことに伴い生活習慣病は増加しており、主に肥満を背景とした睡眠時無呼吸症候群患者も増加しています。 診断のためのアプノモニター検査、PSG検査を行った後、適応のある患者さんにはCPAP導入を積極的に行っています。 尿路感染症も多くなっています。 患者さんの年齢層が高くADLが低下しているためリハビリテーションと退院調整が必要になることも一因となって在院日数は少し長くなっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050130xx99000x | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 98 | 22.63 | 17.71 | 5.10 | 85.91 | |
050050xx99100x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 52 | 3.69 | 3.01 | 5.77 | 70.62 | |
050050xx02000x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 32 | 6.81 | 4.40 | 6.25 | 71.72 | |
050130xx9901xx | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり | 23 | 28.26 | 19.44 | 4.35 | 84.43 | |
050070xx99000x | 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 22 | 11.59 | 7.56 | 18.18 | 80.09 |
狭心症に対してカテーテル治療を行なっただけでは生命予後は改善しません。 治療後に適切な運動療法を継続して行う必要があります。 当科では、カテーテル治療後に理学療法士とともに適切な運動療法を2~3回実施し、退院後も継続していただけるよう指導しています。 このため全国平均と比較して、カテーテル治療の入院日数が長くなっています。
高齢者が多く、療養型病院や他の急性期病院へ転院する場合があります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xx0x | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし | 148 | 3.38 | 2.63 | 0.00 | 76.23 | |
100120xx99xxxx | 肥満症 手術なし | 143 | 10.16 | 15.16 | 0.00 | 52.69 | |
060035xx99x00x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 87 | 2.09 | 7.46 | 0.00 | 78.95 | |
060102xx99xxxx | 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | 73 | 2.84 | 7.65 | 0.00 | 77.05 | |
060100xx99xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術なし | 49 | 2.08 | 3.02 | 0.00 | 77.78 |
当院消化器内科では、上部・下部内視鏡検査、腹部超音波検査、CT、MRI、内視鏡的胆管膵管造影検査を積極的に行い、食道・胃・大腸・肝臓・胆管・胆嚢・膵臓疾患の発見に努めています。 消化管出血止血術や総胆管結石採石術、早期食道がん、早期胃がん、大腸早期がんの内視鏡的切除、肝腫瘍に対するラジオ波焼灼法、閉塞性黄疸に対する内視鏡的ステント留置術も症例に応じ行っています。 また、切除不能な進行がんに対する化学療法や緩和療法も行っています。 2017年度(平成29年度)からは肥満症に対する教育入院や胃内バルーン留置術も開始しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060380xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし | - | - | 5.39 | - | - | |
040090xxxxxx0x | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし | - | - | 6.19 | - | - | |
140010x199x00x | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 6.17 | - | - | |
040100xxxxx00x | 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 6.64 | - | - | |
080270xxxx1xxx | 食物アレルギー 手術・処置等1あり | - | - | 2.15 | - | - |
小児科一般の疾患に対して、入院治療を行っています。 家族の負担などを考慮して、可能な限り早期退院できるようにしており、平均在院日数は全国平均より短くなっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 71 | 5.41 | 4.85 | 0.00 | 72.54 | |
060035xx99x50x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 副傷病なし | 23 | 4.00 | 4.26 | 0.00 | 76.52 | |
060035xx99x60x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 副傷病なし | 23 | 4.04 | 4.40 | 0.00 | 70.43 | |
060035xx01000x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 21 | 20.05 | 15.02 | 0.00 | 74.48 | |
060335xx02000x | 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 20 | 9.00 | 7.13 | 0.00 | 63.10 |
直腸がん化学療法、結腸がん化学療法、胃がん化学療法、胆嚢炎
当科では進行・再発大腸がん(結腸がん・直腸がん及び胃がん)に対し積極的な化学療法を行っております。 化学療法センターでの外来治療も行っていますが、特に高齢者では入院で化学療法を行うことで、多職種によるきめ細やかな管理が可能となり、より安全に治療が継続でき、生存期間の延長にも寄与しています。 化学療法を受けられる患者さんの平均在院日数は全国平均より短くなっています。
胆石症、胆石性胆嚢炎は頻度の高い疾患で、当院では高齢者の患者さんが多いのが特徴です。 救急部門と外科の連携により迅速な対応をとっており、治療患者数の多い疾患となっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
090010xx99x4xx | 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり | 81 | 4.11 | 4.25 | 0.00 | 58.22 | |
090010xx01x0xx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし | 34 | 18.79 | 10.34 | 0.00 | 64.41 | |
090010xx02x0xx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2なし | 34 | 13.62 | 6.10 | 0.00 | 62.56 | |
100020xx010xxx | 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1なし | 27 | 11.89 | 8.44 | 0.00 | 52.74 | |
090010xx97x0xx | 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし | 14 | 2.71 | 6.48 | 0.00 | 60.21 |
乳がんは、女性に発生するがんの1位となっており、年間約6万人が発症し約1万人が死亡しています。 当院ではマンモグラフィ、超音波検査による1次、2次検診も全て引き受けていますので、年間3,000件以上行っています。
乳がんの治療は、専門医を中心としたセンターで行っています。乳房再建は1次、2次を行っています。 比較的早期あるいは早期に近いがんが多く、当院の乳房温存率は約60%となっています。 術後の合併症も無く、内分泌化学療法を行って予後の向上に努めています。 再発された方に対しては、心のケアを含めた緩和ケアも行っています。 術後のリハビリテーションや化学療法も合わせて行うこともあるので、在院日数は長くなっています。
甲状腺がんは、年間約30~40例の手術症例を扱っており、長野県では大学病院に次ぐ実績があります。 乳頭がんが95%以上を占めるため、10年生存率は95%以上と良好です。 合併症もほとんどありません。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 108 | 36.47 | 23.56 | 0.00 | 75.84 | |
160620xx01xxxx | 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 | 103 | 13.53 | 14.10 | 0.00 | 29.51 | |
160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 90 | 35.98 | 25.94 | 43.33 | 83.38 | |
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 65 | 31.62 | 21.53 | 0.00 | 66.14 | |
160690xx99xx0x | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし | 63 | 22.83 | 19.40 | 30.16 | 82.59 |
整形外科では、膝の手術で入院される患者さんが最も多くなっています。 人工膝関節置換術(人工関節)・骨切り手術(矯正手術)・前十字靭帯再建手術・半月板の手術に代表される手術において、当院には長年にわたる実績があります。 専門の医師および医療スタッフが治療にあたっており、県外からも多くの患者さんが手術を受けに来ます。 人工関節や骨切り手術を受ける患者さんは変形性膝関節症や関節リウマチの患者さんが多く、靭帯再建や半月板手術の患者さんはアスリートや学生が多い傾向にあります。 年齢的なものもあって変形性膝関節症や関節リウマチの患者さんの入院はやや長めですが、靭帯再建や半月板手術の患者さんは術後も短期に退院されて学業、仕事に復帰しています。 いずれの場合も、 術後転院されるケースはほとんどありません。
3番目に多いのは股関節などの骨折に対する手術であり、平均年齢もみても分かるようにかなり高齢で体力の衰えた方が受傷する場合が多いので入院期間も長めで、それでも十分な回復には時間がかかるため、他院に転院になることもまれではありません。
4番目は当院のもう1つの看板である変形性股関節症に対して人工股関節置換術を受ける患者さんです。 専門的にリハビリを行い、痛み無く安定した自立歩行を獲得し、1か月前後で退院します。
当院では脊椎脊髄の治療も行っています。 できる限り手術治療を行い早期離床歩行機能の獲得を目指していますがご高齢の方が多く、継続リハビリを目的として転院される場合があります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060x2990401 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 44 | 29.66 | 16.13 | 6.82 | 75.50 | |
010070xx99000x | 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 37 | 17.22 | 8.24 | 2.70 | 76.92 | |
010040x099000x | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 22 | 33.86 | 18.81 | 31.82 | 71.00 | |
010060x2990411 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 22 | 32.45 | 18.24 | 18.18 | 80.95 | |
010030xx9910xx | 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | 17 | 3.76 | 3.01 | 0.00 | 71.88 |
急性期脳梗塞に対するエダラボンによる治療が多くなっています。発症早期から治療を開始できていると考えています。 平均年齢が高く心不全や呼吸障害を合併している患者さんも多いため、リハビリ治療に時間を要し、平均在院日数が長めです。 急性期治療後、療養型病院への転院となる事もあり転院率は高めです。 脳虚血発作などの脳循環不全の患者数も多く、頚動脈狭窄症に対しては動脈血栓内膜摘出術(CEA)も行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080010xxxx0xxx | 膿皮症 手術・処置等1なし | 11 | 10.91 | 12.55 | 0.00 | 78.82 | |
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹 | - | - | 9.00 | - | - | |
161070xxxxx00x | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 3.52 | - | - | |
080050xxxxxxxx | 湿疹、皮膚炎群 | - | - | 10.67 | - | - | |
080140xxxxx0xx | 炎症性角化症手術・処置等2なし | - | - | 15.85 | - | - |
当院皮膚科では、通院治療が主体です。 かつて入院することが多かった高齢者の帯状疱疹も、治療薬の改善や鎮痛療法の進歩などにより、通院で治療できることが多くなりました。 今日、入院対象となる帯状疱疹は、それでも痛みなどの症状が強い場合や、排尿障害などの合併症がある場合などにほぼ限られています。 皮膚の良性・悪性腫瘍などで手術目的に入院する例もかつては多くありましたが、最近は形成外科に依頼することが多くなっています。
入院事例の多い膿皮症は、そのほとんどが蜂窩織炎で、四肢などの軟部組織に細菌感染を起こした方です。 そのほか、薬剤過敏症やハチ刺されにともなうアナフィラキシーショックなどで入院される方がおられます。 これらの疾患については、内科や整形外科・形成外科での入院となる場合もあります。 入院期間は、必要最低限とすることを目標としており、全身的な問題が改善し在宅療養が可能となった時点で基本的には退院としています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110200xx02xxxx | 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 | 69 | 8.20 | 8.52 | 0.00 | 72.23 | |
110080xx991x0x | 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし | 58 | 3.02 | 2.49 | 0.00 | 69.93 | |
11012xxx020x0x | 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし | 53 | 6.49 | 5.61 | 0.00 | 65.53 | |
110070xx0200xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 44 | 6.91 | 7.07 | 0.00 | 71.70 | |
110310xx99xx0x | 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし | 22 | 9.50 | 12.58 | 4.55 | 72.41 |
当科ではレーザーを用いた先端治療を行っています。
前立腺肥大症に対してはHOLEP(ホーレップ,経尿道的レーザー前立腺核出術)を行っています。 利点として、出血が少ないため輸血の可能性が低い、大きな前立腺でも治療できる、再発が少ない、などがあります。
尿管結石に対してはf-TUL(エフ - ティーユーエル,軟性尿管鏡を用いたレーザー手術)を行っています。 体外衝撃波結石破砕手術(ESWL,イーエスダブルエル)は比較的簡単な治療ですが、結石の大きさや固さによって治療効果にばらつきがあり、複数回の治療が必要になることも少なくありません。 TULの利点は確実な砕石、結石の摘出がその場でできる、などがあります。 また、膀胱腫瘍に対しては初期治療として経尿道的切除術(TUR-Bt)を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050180xx02xxxx | 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 | 75 | 1.96 | 2.78 | 0.00 | 62.63 | |
050170xx99100x | 閉塞性動脈疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 3.42 | - | - | |
050050xx99200x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 3.15 | - | - | |
050163xx9910xx | 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし | - | - | 4.36 | - | - |
下肢静脈瘤の専門外来を開設しており、レーザー機器を用いて診療にあたっています。 血管内レーザー焼灼のほか、改良型ストリッピング手術、硬化療法なども行っています。 日帰り手術も行っており、平均在院日数は全国平均よりおよそ1日短くなっています。 循環器疾患センターをはじめ、他科と協力して診療にあたっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120090xx97xxxx | 生殖器脱出症 手術あり | 10 | 7.30 | 8.65 | 0.00 | 67.70 | |
12002xxx02x0xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし | - | - | 3.13 | - | - | |
120165xx99xxxx | 妊娠合併症等 手術なし | - | - | 11.79 | - | - | |
120060xx01xxxx | 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 | - | - | 9.71 | - | - | |
120140xxxxxxxx | 流産 | - | - | 2.51 | - | - |
当科の患者さんの特徴としては高齢婦人の骨盤臓器脱患者(膀胱瘤、子宮脱等)が年々増加しています。 積極的に手術療法を行ってますが、患者さんのQOLを考慮してペッサリー療法で外来管理している患者さんも多くみられます。
一般的な婦人科腫瘍に関しては、腹腔鏡手術の普及とともに減少しています。 ただ子宮頸部上皮内腫瘍に関しては積極的に子宮頸部(円錐)切除術を選択しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx1 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 | 37 | 3.24 | 5.09 | 0.00 | 76.05 | |
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 | 31 | 2.52 | 2.78 | 0.00 | 77.00 | |
020240xx97xxx0 | 硝子体疾患 手術あり片眼 | - | - | 5.95 | - | - | |
020200xx9710xx | 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | - | - | 6.71 | - | - | |
020210xx97x0xx | 網膜血管閉塞症 その他の手術あり 手術・処置等2なし | - | - | 7.36 | - | - |
当科では白内障・緑内障・糖尿病網膜症・加齢黄斑変性症などの幅広い眼科疾患に対応できるよう診療体制及び検査機器を整えています。 また総合病院における眼科の役割として、他科と連携をとりながら全身疾患と関わりのある眼科疾患について診療を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし | 40 | 6.05 | 5.45 | 0.00 | 39.95 | |
030400xx99xxxx | 前庭機能障害 手術なし | 38 | 6.05 | 5.01 | 0.00 | 68.16 | |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 29 | 6.10 | 6.80 | 0.00 | 55.00 | |
030428xxxxxxxx | 突発性難聴 | 29 | 8.62 | 8.93 | 0.00 | 56.72 | |
030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 23 | 7.65 | 7.80 | 0.00 | 16.96 |
入院は、扁桃炎からめまい、突発性難聴と耳鼻咽喉科全般の疾患を取り扱っております。 当科では内耳障害の治療も行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080006xx01x0xx | 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし | 14 | 5.86 | 7.90 | 0.00 | 79.93 | |
080010xxxx0xxx | 膿皮症 処置1なし | 13 | 12.92 | 12.55 | 0.00 | 54.54 | |
160200xx0200xx | 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | - | - | 5.26 | - | - | |
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし | - | - | 3.10 | - | - | |
070010xx010x0x | 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 副傷病なし | - | - | 5.41 | - | - |
-
皮膚悪性腫瘍
腫瘍切除により大きな組織欠損が生じる場合には、皮弁法や皮膚移植により傷をふさぎます。整容面に配慮した治療を行っています。 -
蜂巣炎など
皮膚軟部組織感染症に対しては、抗菌療法に加え、必要に応じて切開排膿などの外科的処置を行います。 -
顔面損傷(鼻骨骨折、頬骨骨折など)
頬骨骨折に対しては全身麻酔下に整復手術を行います。顔面に目立つ傷跡が生じないよう切開、縫合を工夫しています。 鼻骨骨折に対しては徒手整復術を行います。
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 23 | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
大腸癌 | 37 | 11 | 34 | 41 | - | 73 | 1 | 8 |
乳癌 | 35 | 53 | 40 | 14 | - | 18 | 1 | 8 |
肺癌 | - | - | 12 | 48 | - | 21 | 1 | 8 |
肝癌 | 10 | - | - | - | - | 36 | 1 | 8 |
日本で最も罹患数の多い5つのがん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)について病期(ステージ)毎の延べ患者数を集計しています。 1人で3回入院される場合は、実数ではなく延べ患者数のため3人となります。 大腸癌の再発患者さんは73人となっていますが、実患者数では11人です。
当院は表に示したがんの他にも、甲状腺がん、膵がん、胆道がん、腎がん、卵巣がんをはじめ、幅広く診ています。
また、より安心で質の高いがん治療を目指し、外科治療、化学療法、緩和療法を受けるすべてのがん患者さんを対象に、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、医療ソーシャルワーカー(MSW)などがチーム体制をとる「がんサポートセンター」を設置し、患者さんおよびご家族を、他職種によるチームが様々な方向から支援しています。 2018年度からは緩和ケアチームを設置して体制を強化しています。
患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 16 | 9.94 | 55.06 |
中等症 | 125 | 17.74 | 80.70 |
重症 | 22 | 36.59 | 85.05 |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
市中肺炎の重症度はA-DROPという指標で検討されます。
5つのチェック項目すなわちA(Age、年齢、男性70歳以上、女性75歳以上)、D(Dehydration、脱水あり)、R(Respiration、低酸素血症)、O(Orientation、意識障害あり)、B(Blood Pressure、収縮期血圧90mmHg以下)の頭文字をつなげたものです。 スコア0(いずれも当てはまらない)を軽症(外来治療)、1~2を中程度(外来または入院治療)、3を重症(入院治療)、4~5を超重症(ICU治療)として推奨される治療を簡便に判断できるようにしています。 当院の状況は、肺炎患者は167名で前年と同程度となっています。 若年者であれば外来で対応可能な軽症の割合は9.6%のみであり、入院加療の必要な中等度以上の方が大半を占めています。 A-DROPが示すように、高齢者すなわち男性70歳以上、女性75歳以上はすでにスコアが1となります。 それに加え食事がとれなくなると容易に脱水となりスコア2つまり外来または入院治療です。 これが高齢者肺炎では重症化しやすい背景であり、積極的な入院加療が必要な根拠となっています。
さらに新型コロナ感染症の蔓延に合わせ、高齢者は注意が必要です。
ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均 年齢 |
転院率 |
---|---|---|---|---|---|---|
I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | 164 | 37.52 | 79.63 | 20.11 |
その他 | 15 | 37.87 | 78.00 | 0.00 |
脳卒中の急性期治療を担っており、脳梗塞などの発症日から3日以内に入院される患者数が多いデータとなっています。 超急性期治療のrt-PA静注療法や早期リハビリテーションも行い、早期回復、症状軽快を目指して治療を行なっています。 TIA(一過性脳虚血発作)やVBI(椎骨脳底動脈循環不全症)などの脳卒中前駆症状の患者さんも多くなっています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 20 | 2.65 | 5.20 | 0.00 | 71.70 | |
K5972 | ペースメーカー移植術(経静脈電極) | 14 | 8.71 | 11.29 | 7.14 | 83.07 | |
K5492 | 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) | 13 | 0.23 | 9.85 | 7.69 | 70.00 | |
K5491 | 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) | 11 | 0.00 | 12.64 | 0.00 | 60.73 | |
K5463 | 経皮的冠動脈形成術(その他) | - | - | - | - | - |
急性冠症候群(急性心筋梗塞や不安定狭心症)に対しては、直ちに緊急カテーテル治療を実施できるよう24時間体制で対応しています。 当院では開心術を実施していませんので、急性冠症候群の緊急処置後に、開心術を実施できる病院へ搬送する場合もあります。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 160 | 1.06 | 1.09 | 0.00 | 77.96 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 40 | 2.28 | 14.50 | 12.50 | 83.10 | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) | 24 | 1.08 | 4.38 | 0.00 | 67.17 | |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) | 23 | 3.09 | 9.52 | 4.35 | 75.96 | |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) | 21 | 1.00 | 8.57 | 0.00 | 74.86 |
当院消化器内科では、上部・下部内視鏡検査、腹部超音波検査、CT、MRI、内視鏡的胆管膵管造影検査を積極的に行い、食道・胃・大腸・肝臓・胆管・胆嚢・膵臓疾患の発見に努めています。 消化管出血止血術や総胆管結石採石術、早期食道がん、早期胃がん、大腸早期がんの内視鏡的切除、肝腫瘍に対するラジオ波焼灼法、閉塞性黄疸に対する内視鏡的ステント留置術も症例に応じ行っています。 2017年度(平成29年度)からは肥満症に対する教育入院や胃内バルーン留置術(自費)も開始しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 62 | 1.13 | 3.10 | 0.00 | 71.90 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 41 | 1.39 | 6.41 | 0.00 | 65.10 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 21 | 8.71 | 16.14 | 0.00 | 71.76 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 19 | 1.47 | 3.63 | 0.00 | 47.37 | |
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 | - | - | - | - | - |
当科における手術件数順に、腹腔鏡下ヘルニア手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術となります。 そけい部ヘルニアは一般的に頻度の多い疾患です。 腹腔鏡手術では前日入院、手術後3日で退院・社会復帰可能であるため、手術希望者には迅速に対応しており、結果 手術件数が多くなっています。 胆石症や胆嚢炎は生活習慣の変化などに伴い年々増加しており、腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応患者も増えています。 当院では急性胆嚢炎に対してはガイドラインに準じ早期手術を導入しています。 結腸悪性腫瘍(結腸がん)に対しては原則としてステージIIIまでは腹腔鏡下手術の適応としております。 術後の回復が従来の開腹手術に比べて早く、高齢者でも2週間以内の早期退院が可能となっています.
上位3疾患以外では、虫垂炎手術、胃がんに対する胃切除・胃全摘術、胆道がん・膵がんに対する膵頭十二指腸切除、肝がんに対する肝切除など高難度手術を安全に行い、良好な成績を得ていることが当科の特徴です。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K4762 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 35 | 1.57 | 10.97 | 0.00 | 63.20 | |
K4631 | 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) | 20 | 1.50 | 9.45 | 0.00 | 53.10 | |
K4741 | 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm未満) | 16 | 0.13 | 1.13 | 0.00 | 52.06 | |
K4763 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 16 | 2.00 | 14.06 | 0.00 | 66.06 | |
K4765 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) | 12 | 1.83 | 20.33 | 0.00 | 63.17 |
乳がんで高齢者あるいは合併症等で全身麻酔下で出来ない症例も有り、局所のコントロールを目的に局所麻酔下で行う場合が増えています。 又、悪性腫瘍か良性腫瘍の確定診断のために行う腫瘍切除術も、入院にて安全に行っています。 乳がんの患者さんの平均年齢は、全国平均と比べて高くなっています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(肩,股,膝) | 184 | 3.42 | 30.74 | 0.00 | 72.33 | |
K0461 | 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) | 83 | 4.84 | 29.89 | 39.76 | 81.49 | |
K079-21 | 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) | 63 | 1.00 | 13.89 | 0.00 | 29.00 | |
K0483 | 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕,下腿) | 61 | 0.13 | 2.05 | 0.00 | 44.61 | |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) | 48 | 2.10 | 14.75 | 4.17 | 58.38 |
当院の整形外科は、人工関節センターで一貫した治療を行なっており、20年以上にわたり年間 約200例近くの実績があります。 両側同時手術も多く行っていますので、実際の手術件数は表記患者数よりも多くなっています。
次いで多いのは主に転倒して骨折した方に対する手術です。 高齢で体力の衰えた方が受傷することが多いため、手術が危険な場合も少なくはなく、すべての 方に手術することはできませんが、可能な患者さんには手術治療を積極的に行っています。 基盤には高齢による易転倒性と骨粗鬆症がありますので、適切に状態を評価し術後にリハビリを患者さんに合わせて行っています。 術後の身体能力の回復に時間がかかる場合が多く、半数の方は退院後も訓練を要するため、リハビリテーション主体の病院へ転院されています。
次いで多いのは スポーツ外傷に対する前十字靭帯再建術です。 もともと熱心にスポーツをしている元気な方が多いので、手術後の社会復帰も早く、転院はほぼありません。
4番目に多いのは術後患者さんの固定金具の除去手術です。 入院も短期間であり、退院後もほぼ手術前の生活を送ることができます。
5番目は骨粗鬆症などの患者さんの、主に転倒による手首などの骨折に対する手術で、リハビリは通院で行うことが一般的で入院期間は短くなっています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 25 | 5.72 | 33.00 | 8.00 | 78.96 | |
K1771 | 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) | 15 | 5.67 | 32.93 | 6.67 | 73.87 | |
K6092 | 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) | 12 | 10.92 | 31.25 | 8.33 | 80.00 | |
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | - | - | - | - | - | |
K1742 | 水頭症手術(シャント手術) | - | - | - | - | - |
当科は脳動脈瘤頸部クリッピングの手術、動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈)、正常圧水頭症に対するシャント手術などが多いのが特徴です。 脳卒中の患者さんが多いため、脳卒中関連の手術件数が多く、予防的外科治療も行なっています。 脳出血や脳腫瘍、頭部外傷に対しても手術を行なっており、総計では年間120~150件程度の手術を行なっています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K841-21 | 経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミウムレーザー) | 67 | 1.18 | 6.22 | 0.00 | 71.72 | |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 57 | 1.39 | 4.51 | 0.00 | 65.98 | |
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) | 46 | 1.41 | 5.50 | 2.17 | 72.02 | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 26 | 1.42 | 8.38 | 3.85 | 71.15 | |
K775 | 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 | - | - | - | - | - |
当科ではレーザーを用いた先端治療を行っています。
前立腺肥大症に対してはHOLEP(ホーレップ,経尿道的レーザー前立腺核出術)を行っています。 利点として、出血が少ないため輸血の可能性が低い、大きな前立腺でも治療できる、再発が少ない、などがあります。
尿管結石に対してはf-TUL(エフ - ティーユーエル,軟性尿管鏡を用いたレーザー手術)を行っています。 体外衝撃波結石破砕手術(ESWL,イーエスダブルエル)は比較的簡単な治療ですが、結石の大きさや固さによって治療効果にばらつきがあり、複数回の治療が必要になることも少なくありません。 TULの利点は確実な砕石、結石の摘出がその場でできる、などがあります。 また、膀胱腫瘍に対しては初期治療として経尿道的切除術(TUR-Bt)を行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) | 63 | 0.17 | 1.73 | 0.00 | 76.41 | |
K2802 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) | - | - | - | - | - | |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) | - | - | - | - | - | |
K279 | 硝子体切除術 | - | - | - | - | - | |
K282-2 | 後発白内障手術 | - | - | - | - | - |
当科では白内障・緑内障・糖尿病網膜症・加齢黄斑変性症などの幅広い眼科疾患に対応できるよう診療体制及び検査機器を整えています。 また総合病院における眼科の役割として、他科と連携をとりながら全身疾患と関わりのある眼科疾患について診療を行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 24 | 1.00 | 3.79 | 0.00 | 56.00 | |
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 21 | 1.00 | 6.19 | 0.00 | 17.81 | |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) | 15 | 1.20 | 4.13 | 0.00 | 54.27 | |
K309 | 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 | - | - | - | - | - | |
K4572 | 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺深葉摘出術) | - | - | - | - | - |
当科では慢性副鼻腔炎などに対する、内視鏡下鼻・副鼻腔手術に力を入れております。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K617-4 | 下肢静脈瘤血管内焼灼術 | 75 | 0.00 | 0.96 | 0.00 | 62.63 |
心臓血管外科では下肢静脈瘤の専門外来を開設して、レーザー機器による治療を行っています。 日帰り手術も行っており、平均在院日数は全国平均よりおよそ1日短くなっています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) | 13 | 0.31 | 4.92 | 0.00 | 79.85 | |
K333 | 鼻骨骨折整復固定術 | - | - | - | - | - | |
K0301 | 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩,上腕,前腕,大腿,下腿,躯幹) | - | - | - | - | - | |
K2191 | 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) | - | - | - | - | - | |
K2193 | 眼瞼下垂症手術(その他) | - | - | - | - | - |
-
皮膚悪性腫瘍
腫瘍切除により大きな組織欠損が生じる場合には、皮弁法や皮膚移植により傷をふさぎます。整容面に配慮した治療を行っています。 -
鼻骨骨折
成人では局所麻酔下に、小児では全身麻酔下に徒手整復術を行います。 -
四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術
脂肪腫、神経鞘腫など軟部組織に生じた腫瘍を摘出します。機能面、整容面に配慮して治療しています。
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 請求率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | 22 | 0.36 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 16 | 0.26 |
異なる | - | - |
「播種性血管内凝固(DIC)」とは、様々な基礎疾患を原因として血管内に血栓を形成し、それにより凝固因子が消費されて、その結果出血傾向を呈する重篤な病態です。
「敗血症」も、尿路感染などの感染症を起因として、菌が血中から全身にまわる重篤な病態です。
「その他の真菌感染症」は副鼻腔真菌症など患者さんが含まれます。
「手術・処置等の合併症」は後出血、人工股関節脱臼、術後創部感染などの偶発的な病態です。 入院後にこれらを来す事はまれですが、医療は本質的に不確実なところもあり合併症を生じる可能性はゼロではありません。 合併症や偶発症が起これば、もちろん治療には最善を尽くします。
- 2020/9/29
- 公開
2019年度中に当院を退院した患者さんの、年齢を10歳刻みで集計した患者数です。
当院は長野医療圏の急性期基幹病院として、幅広い年齢層の患者さんを診療しています。 高齢化社会を反映して、全国的な傾向と同様に高齢者の入院が多くなっています。