当院について

令和6年度 長野松代総合病院 病院指標

病院指標
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
医療の質指標
  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
  • 患者数・症例数が10未満の場合はハイフン「-」の表示とすることになっています
    • 2.『診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)』
      ⇒「患者数」がハイフンの場合、「平均在院日数(全国)」以外の項目もハイフン表示となります。
    • 7.『その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)』
      ⇒「症例数」がハイフンの場合、「発生率」もハイフン表示となります。
    • 上記以外の集計項目
      ⇒「患者数」がハイフンの場合、それ以外の項目もハイフン表示となります。
1.年齢階級別退院患者数
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 113 115 143 179 373 629 1,557 1,692 551

2024年6月1日から2025年5月31日までの退院患者で一般病棟への入院歴のある方について、年齢を10歳刻みで集計した患者数です。

当院は長野医療圏南部の基幹病院として、幅広い年齢層の患者さんを診療しています。 少子高齢化という全国的な傾向と同様に、当院の入院患者さんも高齢の方が多く、70歳代以上の方の割合は入院患者全体の7割に上ります。

なお本指標では、10歳未満の年齢階級においては患者数に係わらず-(ハイフン)を入力する事になっていますのでご了承ください。

2.診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
0400802499x0xx 肺炎等 75歳以上 手術なし 処置2なし 76 19.82 19.82 9.21 86.97
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 73 29.53 29.53 23.29 87.07
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 47 16.87 16.87 19.15 81.13
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術等 35 3.23 3.23 0.00 75.54
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く) インスリン製剤(注射薬に限る) 25 9.88 9.88 4.00 71.92

地域社会の高齢化を反映し、当院総合診療科ではご高齢の方で生じやすい発熱性疾患の入院を多く診療しています。 市中肺炎については、元々の身体活動度・認知機能が保たれている方も多く在宅復帰率も高いですが、嚥下機能の低下から生じることの多い誤嚥性肺炎や、セルフケアの困難さから生じる尿路感染症などは、背景に身体活動度の低下や認知機能の低下があることも多く、入院加療後、施設入所を念頭に療養病床などへ転院される方も多くなっています。 また、当院では下部消化管内視鏡検査の実施に力を入れており、ご高齢の方においては、在宅での前処置が十分に難しい方も多いことから、入院頂くことで確実かつ安全な検査の実施を目指しています。 このほか、糖尿病の方の教育入院(新規診断時や、自己注射導入時など)も積極的に受け入れており、病気に対する理解の促進や、血糖測定・自己注射手技の獲得をサポートしています。

神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
100140xx99x00x 甲状腺機能亢進症 手術なし 処置2なし 副傷病なし - - 10.11 - -
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし エダラボン 副傷病なし - - 16.89 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.66 - -
010090xxxxx0xx 多発性硬化症 処置2なし - - 11.75 - -
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 処置2なし 副傷病なし - - 17.95 - -

発熱・頭痛・頸部痛などで発症する髄膜炎・脳炎・ギランバレー症候群などの急性発症の病気や、悪化を予防することが必要な多発性硬化症は、早期発見、早期治療が大切です。パーキンソン病は手足がふるえや動きが遅くなるなどの症状があり、100人に1人程度発症する決して少なくない病気です。 肺炎や尿路感染症、ストレスなどで悪化するため、短期間集中リハビリ入院をして内服薬の調整などをします。 専門医が常にいる病院であれば検査、治療が早く行えます。 当院は24時間体制で髄液検査が行えます。

神経内科には数時間~数日の急性期治療と数年~数十年の慢性期治療の重要な病気が混在し、いずれも検査、点滴治療、リハビリが重要です。 特に慢性期治療は、長野市内・長野県内の急性期病院とリハビリ病院などが連携を取り合った上で治療が受けられるようになっています。また回復期りハビテーション病棟では、急性期を経過した患者さんの在宅療養開始を見据え、積極的なリハビリテーションを行っています。

呼吸器・感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 84 27.68 20.78 0.17 86.81
0400802499x0xx 肺炎等 75歳以上 手術なし 処置2なし 64 19.52 16.40 0.13 84.52
030250xx990xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 処置1なし 43 2.00 2.92 0.00 57.53
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 終夜睡眠ポリグラフィー(1及び2以外) 31 2.00 2.02 0.00 55.65
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 26 21.73 13.66 0.19 85.19

高齢化社会を反映して、入院患者の平均年齢は当科でも上昇の一途をたどっています。 特に加齢による嚥下機能の低下は誤嚥性肺炎を引き起こし、その入院数は増える一方です。 2024年度は呼吸器内科と感染症内科を合わせた全患者数のうち一番多くなりました。 介護者が高齢だったり、患者さんが単身であることも多いので、退院支援に力を注いでいます。 2020年から始まったCOVID-19流行は通年性に流行継続しており、罹患後の廃用進行が著明であるため他院転院や施設入居必要者がさらに増加しています。 従って待機期間が今まで以上に長期化し、待機期間の間に他疾患を併発することも多く、高齢者診療はさらに複雑化しています。 市中肺炎の入院患者も増加しています。 特にマクロライド耐性マイコプラズマ肺炎の患者さんは従来の外来治療の効果がなく、悪化してから当院初診し入院する場合が多いので、診断・治療とも複雑になっています。

呼吸器科に特化した疾患として、睡眠時無呼吸症候群、間質性肺炎患者さんも増加しています。 高齢であってもADLが保たれている方にはCPAPや抗線維化剤等の治療を積極的に導入する傾向はさらに強まっています。

循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 転院以外 63 26.32 17.33 12.70 86.83
0400802499x0xx 肺炎等 75歳以上 手術なし 処置2なし 24 27.29 16.40 8.33 88.08
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし - - 20.78 - -
040190xx99xxxx 胸水、胸膜の疾患(その他) 手術なし - - 16.20 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.66 - -

心不全の療養では安静が必要ですが、活動性の低下による筋力の低下を最小限に抑えるため、当院では入院翌日からベッド上で心臓リハビリテーションを開始しています。 運動療法を適切に行う事で健康寿命の延長が期待できます。 虚血性心疾患に対するカテーテル治療後も同様で、理学療法士とともに適切な運動療法を実施し、退院後も継続していただけるよう指導しています。 高齢者が多く、療養型病院や他の急性期病院へ転院となる場合があります。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術等 251 3.01 2.57 0.00 79.27
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 101 3.49 7.60 0.00 76.63
060035xx99x0xx 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 72 2.25 7.91 0.00 80.03
100120xx99xxxx 肥満症 手術なし 70 11.37 13.35 0.00 47.96
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術等 54 10.37 7.45 0.00 74.91

当院消化器内科では、上部・下部内視鏡検査、腹部超音波検査、CT、MRI、内視鏡的胆管膵管造影検査を積極的に行い、食道・胃・大腸・肝臓・胆管・胆嚢・膵臓疾患の発見に努めています。 消化管出血への止血術や総胆管結石採石術、早期食道がん、早期胃がん、大腸早期がんの内視鏡的切除、肝腫瘍に対するラジオ波焼灼法、閉塞性黄疸に対する内視鏡的ステント留置術も症例に応じ行っています。 また、切除不能な進行がんに対する化学療法や緩和療法も行っています。 また、高度肥満症に対する専門医治療も積極的に行っています。

小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
0400801199x0xx 肺炎等 15歳未満または市中肺炎等 1歳以上15歳未満 手術なし 処置2なし - - 5.61 - -
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 処置2なし - - 5.55 - -
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 10.26 - -
0400802299x000 肺炎等 15歳以上65歳未満 手術なし 処置2なし 副傷病なし A-DROP スコア0 - - 8.13 - -
170050xxxxxxxx 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害 - - 6.75 - -

小児科一般の疾患に対して、入院治療を行っています。 多い疾患としては、肺炎・気管支炎などの呼吸器疾患、胃腸炎や、これらに伴う脱水症、不安障害などです。 家族の負担などを考慮して、可能な限り早期退院できるようにしており、平均在院日数は全国平均より短くなっています。

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア 15歳以上 鼠径ヘルニア手術等 68 5.01 4.54 0.00 72.46
06007xxx9907xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 処置1なし イリノテカン塩酸塩 リポソーム製剤 57 4.12 5.53 0.00 76.00
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 結腸切除術等 処置1なし 処置2なし 20 20.25 14.81 10.00 74.35
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 処置1なし 処置2なし 19 6.11 7.05 0.00 64.53
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 手術なし セツキシマブ等 18 4.33 4.64 0.00 75.67

鼠径ヘルニア、胆石症、胆石性胆のう炎や虫垂炎は頻度の高い疾患で、当院では高齢者の患者さんが多いのが特徴です。 救急部門と外科の連携により迅速な対応をとっており、治療患者数の多い疾患となっています。 進行・再発大腸がん(結腸がん・直腸がん及び胃がん)に対しては積極的な化学療法を行っています。 化学療法センターでの外来治療も行っていますが、特に高齢者では入院で化学療法を行うことで、多職種によるきめ細やかな管理が可能となり、より安全に治療が継続でき、生存期間の延長にも寄与しています。 化学療法を受けられる患者さんの平均在院日数は全国平均より短くなっています。

乳腺・甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない) 44 12.55 5.50 0.00 63.25
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術等 処置1なし 39 16.05 9.77 0.00 62.77
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり 10 3.60 3.94 0.00 52.60
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術等 処置1なし - - 7.90 - -
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし等 - - 9.75 - -

乳がんは女性に発生するがんの第1位で、年間約6万人が発症し約1万人が死亡しています。 当院ではマンモグラフィ、超音波検査による1次、2次検診も全て引き受けており、年間の症例数はかなり多くなっています。 乳がんの治療は、専門医を中心としたセンターで行っています。乳房再建は1次、2次を行っています。 比較的早期あるいは早期に近いがんが多く、当院の乳房温存率は約60%となっています。 術後の合併症も無く、内分泌化学療法を行って予後の向上に努めています。 再発された方に対しては、心のケアを含めた緩和ケアも行っています。 術後のリハビリテーションや化学療法も合わせて行うこともあるので、在院日数は少し長くなっています。 甲状腺がんは、 乳頭がんが95%以上を占めるため10年生存率は95%以上と良好です。 合併症はほとんどありません。

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む) 骨移植術等 106 12.13 12.71 0.00 28.92
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む) 人工関節置換術等 100 36.02 21.38 0.00 74.42
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工関節置換術等 68 54.63 25.29 27.94 85.10
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む) 人工関節置換術等 64 31.39 18.76 0.00 70.95
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし 51 31.25 19.16 9.80 84.22

関節鏡を用いた膝の手術で入院する患者さんの数が前年より増えて今年も第1位でした。 2番目と4番目にはそれぞれ人工膝関節と人工股関節の置換術の症例となりました。 膝と股を合わせた症例数は前年度を上回りました。 人工膝関節置換術(人工関節)・骨切り術(矯正手術)・前十字靭帯再建術・半月板の手術に代表される手術において、当院には長年にわたる実績があり、専門医および医療スタッフが治療にあたっており、県外からも多くの患者さんが受診しています。 人工関節や骨切り術を受ける患者さんは変形性膝関節症や関節リウマチの患者さんが多く、靭帯再建や半月板手術の患者さんはアスリートや学生が多い傾向があります。 年齢的なものもあって変形性関節症や関節リウマチの患者さんの入院はやや長めですが、靭帯再建や半月板手術の患者さんは術後早期に退院して学業や仕事に復帰しています。 いずれの場合も術後に転院となるケースはほとんどありません。 3番目は股関節や大腿骨近位の骨折、5番目は高齢者の脊椎圧迫骨折でした。 この2群は平均年齢からもあきらかなように、かなり高齢で体力も衰えた方が多いので、入院期間も必然的に長くなりますが、それでも十分な回復には時間がかかるため、他院に転院となることもまれではありません。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし エダラボン 副傷病なし 54 51.06 16.89 7.41 77.70
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 処置2なし 副傷病なし 14 41.64 11.90 21.43 83.07
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外) JCS10未満 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし - - 18.68 - -
010070xx01x0xx 脳血管障害 四肢の血管拡張術・血栓除去術等 処置2なし - - 13.07 - -
010230xx99x00x てんかん 手術なし 処置2なし 副傷病なし - - 6.89 - -

地域の基幹病院として脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷を中心にすべての脳神経外科疾患において専門的治療を実施し、予防活動も積極的に進めています。 急性期の脳梗塞に対するエダラボンによる治療が最も多く、発症早期からの治療を行っています。 平均年齢が高く心不全や呼吸障害を合併している患者さんもいため、リハビリ治療に時間を要し、平均在院日数が長めです。 急性期治療後は更にリハビリテーションを継続するため回復期や療養病床へ移る患者さんもいます。 慢性硬膜下血腫に対する血腫穿孔洗浄術も積極的に行っています。 他にも頭部外傷、脳出血、脳循環不全の患者数も多くなっています。

皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 処置1なし - - 12.98 - -
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 9.33 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - 9.93 - -
080110xxxxx0xx 水疱症 処置2なし - - 28.94 - -
080030xxxxxxxx 疱疹(帯状疱疹を除く)、その類症 - - 7.67 - -

現在は諸事情により入院対応を行っておりません。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 前立腺針生検法 その他のもの等 91 3.15 2.45 0.00 73.08
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術 ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの等 78 7.94 7.77 0.00 72.23
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用等 処置2なし 65 6.62 6.81 0.00 75.22
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 副傷病なし 56 5.59 5.16 0.00 65.16
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 23 16.17 13.66 17.39 77.00

当科ではレーザーを用いた先端治療を行っています。 尿管結石に対してはf-TUL(エフ - ティーユーエル、軟性尿管鏡を用いたレーザー手術)を行っています。 体外衝撃波結石破砕手術(ESWL、イーエスダブルエル)は比較的簡単な治療ですが、結石の大きさや固さによって治療効果にばらつきがあり、複数回の治療が必要になることも少なくありません。 TULの利点は確実な砕石、結石の摘出がその場でできる、などがあります。 前立腺肥大症に対してはHOLEP(ホーレップ、経尿道的レーザー前立腺核出術)を行っています。 利点として、出血が少ないため輸血の可能性が低い、大きな前立腺でも治療できる、再発が少ない、などがあります。 また、膀胱腫瘍に対しては初期治療として経尿道的切除術(TUR-Bt)を行っています。

眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 187 3.07 2.49 0.00 78.20
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 処置1なし 処置2なし - - 5.58 - -
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 水晶体再建術等 処置2なし - - 5.47 - -
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 - - 4.29 - -
020220xx97xxx0 緑内障 その他手術あり 片眼 - - 4.52 - -

当科では白内障、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの幅広い眼科疾患に対応できるよう診療体制を整えています。 眼科専門病院にて治療が必要な場合には、随時ご紹介させて頂きます。 また総合病院における眼科の役割として、他科と連携を取りながら全身疾患に関わりのある眼科疾患について診療を行っています。

耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 53 7.53 4.67 0.00 68.60
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 22 5.36 5.84 0.00 59.77
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 15 5.87 5.63 0.00 51.73
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 13 5.77 7.35 0.00 26.69
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし - - 8.50 - -

入院は、扁桃炎からめまい、突発性難聴と耳鼻咽喉科全般の疾患を取り扱っております。 当科では内耳障害の治療も行っています。

形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 処置2なし 27 2.26 2.74 0.00 73.22
080010xxxx0xxx 膿皮症 処置1なし 21 9.10 12.98 4.76 70.81
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし 16 7.56 6.92 0.00 84.38
160660xxxx000x 皮下軟部損傷・挫滅損傷、開放創 処置1なし 処置2なし 副傷病なし - - 8.41 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術等 処置1なし - - 3.77 - -
  • 眼瞼下垂
    下垂の生じる原因に応じて適切な手術方法を選択しています。 腱膜性の眼瞼下垂症では、ゆるんでいる腱膜を瞼板に糸で固定し直すことで、まぶたが開けやすくなります。
  • 蜂巣炎
    皮膚や脂肪に炎症を起こす蜂巣炎(蜂窩織炎)に対しては、抗菌薬の点滴、安静、冷却処置を行います。 手術が必要となる壊死性筋膜炎との鑑別が重要となるため、慎重に経過をみていきます。
  • 皮膚悪性腫瘍
    腫瘍切除により大きな組織欠損が生じる場合には、皮弁法や皮膚移植により傷をふさぎます。 整容面に配慮した治療を行っています。
  • 四肢の挫創
    手指の軟部組織損傷、腱損傷、神経損傷や四肢の挫滅創などに対して手術を行い、傷の処置とともに機能回復のためのリハビリテーションを行います。
  • 皮膚の良性腫瘍
    なるべく目立たない傷跡になるよう切開、摘出し、縫合法を工夫してアフターケアを行っています。
3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 55 - - - - - 1 8
大腸癌 15 12 23 18 - 21 1 8
乳癌 37 34 - - - - 1 8
肺癌 - - - 21 - - 1 8
肝癌 - - - - - 28 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

日本で最も罹患数の多い5つのがん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)について病期(ステージ)毎の延べ患者数を集計しています。 延べ患者数による集計のため、同一の患者さんが複数回入院した場合はその回数分が計上されています。 例えば大腸癌の再発患者さんは21人となっていますが、実患者数では3人です。同様に、肝がんの再発患者さんは28人ですが、実患者数は8人です。 当院は日本がん治療認定機構から認定研修施設として認定されており、表に示したがん以外にも、甲状腺がん、膵がん、胆道がん、膀胱がん、腎がんのほか様々ながんに対して、それぞれの専門医がガイドラインに基づいて治療法の選択、診療にあたっています。

より安心で質の高いがん医療を目指し、外科治療、化学療法、緩和療法を受けるすべてのがん患者さんを対象に、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、医療ソーシャルワーカー(MSW)などがチーム体制をとる「がんサポートセンター」を設置し、患者さんおよびご家族を、多職種によるチームが様々な方向から支援しています。 緩和ケアチームも設置しています。 外来化学療法センターは安全かつプライバシーに十分配慮した環境となっています。

4.成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 33 8.64 53.70
中等症 136 20.00 83.35
重症 39 24.41 87.13
超重症 - - -
不明 - - -

市中肺炎の重症度(軽症、中等症、重症)はA-DROPなる指標で検討されます。 5つのチェック項目すなわちA(Age、年齢、男性70歳以上、女性75歳以上)、D(Dehydration、脱水あり)、R(Respiration、低酸素血症)、O(Orientation、意識障害あり)、B(Blood Pressure、収縮期血圧90mmHg以下)の頭文字をつなげたものです。 この表のようにスコア0(いずれも当てはまらない)を軽症(外来治療)、1~2を中程度(外来または入院治療)、3を重症(入院治療)、4~5を超重症(ICU治療)としています。 この重症度をもとに、推奨される治療を行っています。 当院では、外来治療でよいとガイドライン上されている軽症症例であっても、セルフケア障害があり入院加療のニーズがあると判断したものは短期間の入院を積極的に受け入れています。 地域の高齢化の進行や、新型コロナウイルス感染症への警戒感が薄らぎ感染予防策をとる方が減少した影響か、2023年度と比して市中肺炎による入院患者数は増加しています。 同時に、重症・超重症患者さんの平均年齢も上昇していますが、早期からの積極的なリハビリ、ガイドラインに準拠した治療により、平均在院日数は昨年よりも短縮しています。

5.脳梗塞のICD10別患者数等
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均
年齢
転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内 102 54.25 79.49 10.34
その他 14 86.93 79.79 2.59

脳卒中の急性期治療を担っており、脳梗塞などの発症日から3日以内に入院される患者数が多いデータとなっています。 超急性期治療のrt-PA静注療法や早期リハビリテーションも行い、早期回復、症状軽快を目指して治療を行なっています。 TIA(一過性脳虚血発作)やVBI(椎骨脳底動脈循環不全症)などの脳卒中前駆症状の患者さんも多く診ています。

6.診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 43 3.23 1.77 0.00 76.33
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 等 - - - - -
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 - - - - -

入院中は他科の専門医とも協力して診療にあたっています。 大腸ポリープに対する内視鏡的切除や、肝疾患などに伴う腹水貯留への処置、嚥下障害の患者さんへの胃瘻造設等を、消化器内科などと連携して行っています。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 251 1.69 1.10 0.00 78.97
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 52 1.00 8.79 0.00 74.85
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 34 1.00 7.50 0.00 69.03
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 等 20 1.60 9.10 5.00 77.50
K654 内視鏡的消化管止血術 17 2.53 16.18 5.88 80.12

当院消化器内科では、上部・下部内視鏡検査、腹部超音波検査、CT、MRI、内視鏡的胆管膵管造影検査を積極的に行い、食道・胃・大腸・肝臓・胆管・胆嚢・膵臓疾患の発見に努めています。 消化管出血止血術や総胆管結石採石術、早期食道がん、早期胃がん、大腸早期がんの内視鏡的切除、肝腫瘍に対するラジオ波焼灼法、閉塞性黄疸に対する内視鏡的ステント留置術も行っています。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 44 1.00 2.86 0.00 70.27
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 31 1.23 3.90 0.00 66.39
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 25 1.52 2.80 0.00 76.24
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 16 4.44 13.25 6.25 73.56
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 14 1.71 5.50 7.14 70.00

当科における手術件数順に、腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術となります。 鼡径部ヘルニアは一般的に頻度の多い疾患です。 腹腔鏡手術では前日入院、手術後2~3日で退院・社会復帰可能であるため、手術希望者には迅速に対応しており、結果 手術件数が多くなっています。 胆石症や胆嚢炎は生活習慣の変化などに伴い年々増加しており、腹腔鏡下での手術患者さんが増えています。 当院では急性胆嚢炎に対してはガイドラインに準じ早期手術を導入しています。 結腸悪性腫瘍(結腸がん)に対しては原則としてステージIIIまでは腹腔鏡下手術の適応としております。 術後の回復が従来の開腹手術に比べて早く、高齢者でも2週間以内の早期退院が可能となっています。

他には、腹腔鏡下の虫垂炎手術、胃がんに対する胃切除・胃全摘術、胆道がん・膵がんに対する膵頭十二指腸切除、肝がんに対する肝切除など高難度手術を安全に行い、良好な成績を得ています。

乳腺・甲状腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 44 1.93 9.61 0.00 63.25
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 16 1.94 12.88 0.00 66.94
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 12 1.92 14.83 0.00 57.75
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。)) 10 2.00 11.60 0.00 62.60
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの) - - - - -

乳がんで高齢者あるいは合併症等で全身麻酔下で出来ない症例も有り、局所のコントロールを目的に局所麻酔下で行う方もいます。 悪性腫瘍か良性腫瘍の確定診断のために行う腫瘍切除術も、入院にて安全に行っています。 乳がんの患者さんの平均年齢は、全国平均と比べて高くなっています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K0821 人工関節置換術(膝) 等 175 2.46 31.64 0.00 72.98
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 78 3.99 40.96 23.08 81.42
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術 十字靱帯 等 77 1.00 11.69 0.00 26.57
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 51 2.76 20.02 1.96 67.16
K068-2 関節鏡下半月板切除術 35 0.54 3.63 0.00 51.14

人工関節置換術が毎年最も多くなっています。 当院の整形外科は人工関節センターで一貫した治療を行なっており、20年以上にわたり年間 約200例近くの実績があります。 両側同時手術も多く行っていますので、実際の手術件数は上記の患者数よりも多くなっています。

2番目と4番目はは骨折した患者さんへの観血的手術です。 転倒を契機とした受傷が多く、高齢で体力の衰えた方が多いので、手術が危険な場合も少なくなく、全ての方に手術することはできませんが、可能な患者さんには手術治療を積極的に行っています。 高齢による易転倒性や骨粗鬆症が背景にあることを考慮して、適切に状態を評価して術後にリハビリを患者さんに合わせて行っています。 術後の身体能力の回復に時間がかかる場合が多く、半数の方は退院後も訓練を要するため、リハビリテーション主体の病院へ転院されることもあります。 これらの骨折は骨粗鬆症に起因するもので、術後にこの治療が行われます。大腿骨近位の骨折に対しては骨折リエゾンサービスチームが関わって治療を行っています。 手首などの骨折に対する手術症例では、リハビリは通院で行うことが一般的で入院期間は短くなっています。 3番目と5番目は スポーツ外傷に対する前十字靭帯再建術と半月板切除術で、もともと熱心にスポーツをしている元気な方が多いので、手術後の社会復帰も早く、転院はほぼありません。

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 20 8.00 37.75 15.00 83.30
K1742 水頭症手術 シャント手術 - - - - -
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 - - - - -
K6092 動脈血栓内膜摘出術 内頸動脈 等 - - - - -
K1772 脳動脈瘤頸部クリッピング 2箇所以上 等 - - - - -

当科は慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術や動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈)などが多くなっています。 脳出血に対する内視鏡下血腫除去術も増加しています。 脳卒中の患者さんが多いため関連する手術件数が多く、予防的外科治療も行なっています。 脳腫瘍の摘出や、正常圧水頭症に対するシャント手術なども積極的に行っています。

泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術 ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの 等 78 1.33 5.60 0.00 72.23
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 等 66 2.65 4.94 1.52 75.64
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 等 60 1.70 3.27 0.00 65.07
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 20 1.70 10.70 35.00 69.60
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 等 11 0.91 1.09 0.00 65.45

当科ではレーザーを用いた先端治療を行っています。

尿管結石に対してはf-TUL(エフ - ティーユーエル,軟性尿管鏡を用いたレーザー手術)を行っています。 体外衝撃波結石破砕手術(ESWL,イーエスダブルエル)は比較的簡単な治療ですが、結石の大きさや固さによって治療効果にばらつきがあり、複数回の治療が必要になることも少なくありません。 TULの利点は確実な砕石、結石の摘出がその場でできる、などがあります。 前立腺肥大症に対してはHOLEP(ホーレップ,経尿道的レーザー前立腺核出術)を行っています。 利点として、出血が少ないため輸血の可能性が低い、大きな前立腺でも治療できる、再発が少ない、などがあります。 また、膀胱腫瘍に対しては初期治療として経尿道的切除術(TUR-Bt)を行っています。

眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 190 1.05 1.09 0.00 78.23
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 等 - - - - -
K2686 緑内障手術 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術 - - - - -
K270 虹彩光凝固術 - - - - -

当科では白内障、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの幅広い眼科疾患に対応できるよう診療体制を整えています。 眼科専門病院にて治療が必要な場合には、随時ご紹介させて頂きます。 また総合病院における眼科の役割として、他科と連携を取りながら全身疾患に関わりのある眼科疾患について診療を行っています。

耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型(汎副鼻腔手術) 14 1.00 3.43 0.00 60.93
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 11 1.00 4.09 0.00 30.36
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - -
K370 アデノイド切除術 - - - - -
K3932 喉頭腫瘍摘出術 直達鏡によるもの - - - - -

当科では慢性副鼻腔炎などに対する、内視鏡下鼻・副鼻腔手術に力を入れております。

形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 等 20 1.95 9.15 10.00 84.70
K2193 眼瞼下垂症手術 その他のもの 等 17 0.00 1.06 0.00 75.06
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 10 0.00 1.60 0.00 70.10
K333 鼻骨骨折整復固定術 - - - - -
K0133 分層植皮術(100cm2以上200cm2未満) 等 - - - - -
  • 皮膚悪性腫瘍
    腫瘍切除により大きな組織欠損が生じる場合には、皮弁法や皮膚移植により傷をふさぎます。整容面に配慮した治療を行っています。
  • 眼瞼下垂症手術(その他のもの)
    まぶたの皮膚が余剰になり、目を覆うようになると視界の妨げになります。皮膚を切り取ることで眼が開けやすくなります。
  • 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
    まぶたを開けるための挙筋腱膜が弱ったり、本来ある位置からはずれてしまっていることが原因で下垂が生じている場合には、腱膜を瞼板に固定することで、まぶたが開けやすくなります。
  • 鼻骨骨折整復固定術
    全身麻酔あるいは局所麻酔下に鼻骨骨折の整復を行い、鼻の変形を予防します。
  • 分層植皮術
    外傷や悪性腫瘍の切除後、下肢の難治性潰瘍などに対して、皮膚移植を行うことで治癒期間の短縮が期待できます。
7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 16 0.30
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -

「播種性血管内凝固(DIC)」とは、様々な基礎疾患を原因として血管内に血栓を形成し、それにより凝固因子が消費されて、その結果出血傾向を呈する重篤な病態です。

「敗血症」は、尿路感染などの感染症を起因として、菌が血中から全身にまわる重篤な病態です。

「その他の真菌感染症」は呼吸器や尿路などへの真菌感染症の患者さんが含まれます。

「手術・処置等の合併症」は後出血、人工関節脱臼、術後創部感染などの偶発的な病態です。 入院中にこれらの病態を来す事はまれですが、医療には本質的に不確実性が存在するため、発生する可能性はゼロではありません。 合併症や偶発症が起こった場合は、治療に最善を尽くしてまいります。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
871 856 98.28%

肺血栓塞栓症(PTE)とは、下肢や骨盤内の静脈にできた血液の塊(血栓)が肺動脈を閉塞する病気です。 航空機を利用した際に起こるものをエコノミークラス症候群と呼びますが、上位クラスでも発症することがあり、5時間以上のテレビ鑑賞でさえリスクになるようです。 症状は胸の痛み、息苦しさ、動悸などの軽症から心停止から回復せず死に至るといった重篤なものまであります。 PTEの危険因子は(1)血流の停滞(2)血管内皮障害(3)血液凝固能亢進があげられます。 特に入院中は活動量が低下すること、手術自体が凝固能に影響することから、我々は、周術期のPTE予防を積極的に行っています。 ガイドラインを遵守し、患者さんごとのリスクレベルを決定して、そのレベルに応じた予防策(弾性ストッキングの着用・間欠的空気圧迫法・抗凝固療法)を実施しています。 しかし、PTE予防策の実施は効果的ではあるものの、完全に防ぐことは出来ません。 またリスクレベルが低い予防策未実施の患者さんに発症してしまうこともあります。 そのため、重症とならないようにPTEを早期発見し治療開始するよう心掛けています。

血液培養2セット実施率
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
719 634 88.18%

ヒトの血液は常に無菌の状態に保たれていますが、ケガや感染等により血液中に入った微生物は全身に拡散し、敗血症と呼ばれる重篤な病態を引き起こすことがあります。 その場合、原因微生物に有効な抗菌薬を使用しますが、その微生物を特定する(探し出す)ためには「血液培養」が有効です。 血液を採取する際には消毒を行いますが、皮膚等に存在している菌が混入してしまうと、原因微生物との判別が難しくなります。 適切な診断及び治療に繋げるため、採血は異なる部位から2回(2セット)行うことが推奨されています。 当院では、血液培養2セット実施率の向上に向けた取り組みを続けてまいります。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
806 561 69.60%

抗菌薬には、幅広い種類の細菌に効く「広域スペクトル抗菌薬」と呼ばれるものがあります。 しかし、この広域抗菌薬の不適切な使用による薬剤耐性菌の発生と、それに伴う感染症の増加が問題視されています。 適切な抗菌薬を選択するためには、菌種と特定する必要があり、そのために行う検査の一つが「細菌培養検査」です。 血液や痰、尿などを培養することで起因菌を特定し、より適切な抗菌薬に切り換えていきます。

感染症の治療効果を高め、さらには薬剤耐性菌の発生を抑制するため、当院では抗菌薬適正使用支援チームを中心に、細菌培養実施率の向上、ならびに抗菌薬適正使用に向けた取り組みを続けてまいります。

転倒・転落発生率
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
77,488 214 2.76‰

入院中の患者の転倒・転落は少なくありません。 原因として、入院による環境の変化、疾患、治療等による筋力低下など様々な要因があります。 本指標は、院内で発生した転倒・転落件数を延べ入院患者数で割って算出される指標です。 当院では2024年6月1日から2025年5月31日までの1年で214件の転倒・転落が発生し、発生率は2.76‰でした。 2023年度の一般病床の全国平均は2.3‰というデータ(2023年度DiNQL)がありますが、当院を含む長野県は全国と比較し高齢者比率が高く、転倒・転落の発生率も高い傾向にあると思われます。 当院では入院時の転倒・転落アセスメントに基づき、離床センサーの設置、緩衝マットの設置、環境整備を行っています。 転倒・転落事案の発生時は事例を分析し、予防策を実施しています。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
- - -

入院中の患者の転倒・転落は少なくありません。 原因として、入院による環境の変化、疾患、治療等による筋力低下など様々な要因があります。 2023年度の全国平均は0.09‰(2023年度厚生労働省QIプロジェクトより)というデータがありますが、当院の2024年6月1日から2025年5月31日までの実績はこれを下回る結果でした。 当院では入院時の転倒・転落アセスメントに基づき、離床センサーの設置、緩衝マットの設置、環境整備を行っています。 転倒・転落をゼロにすることは不可能であるため、転んでも怪我をしない予防策が重要と考え実施しています。 なお、分子の値は10件未満と小さく良好な結果ですが、掲載基準により-(ハイフン)を表示しています。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
1,068 1066 99.81%

手術は皮膚や粘膜を切開するため、通常は外から侵入できない細菌などの病原体が体内に入りやすくなります。 また、手術中は出血や組織損傷が避けられず、免疫機能が一時的に低下するため、感染症にかかりやすくなります。 そこで当院では、国内外のガイドラインに基づき、手術の種類や患者さんの状態に応じて、適切な種類・量・タイミングで予防的抗菌薬を投与しています。 また、必要以上の抗菌薬使用を避けることで耐性菌の発生抑制にも配慮しています。 術後感染症の発症を最低限に抑えるため、これらの取り組みを続けてまいります。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
72,362 45 0.06%

『褥瘡』とは、床ずれと聞くとなじみがあるかもしれませんが、圧迫など外力が加わって血流障害になり、皮膚・皮下組織に壊死が生じた状態です。

当院では入院時に褥瘡発生の危険因子があるか、皮膚の状態や検査データなど確認し評価をします。 その上で、褥瘡発生の危険因子がある患者さんに対し、ベッドマットレスを適したものに変更することや皮膚の状態に合わせたスキンケアなどの予防対策を行っています。 入院中は栄養評価を行い、低栄養の状態であれば栄養管理部と連携をとりながら栄養管理を進めています。

褥瘡がある患者さんに褥瘡経過評価を行います。 d2というのは褥瘡の深さが真皮までの損傷を言い、皮膚表面にある表皮が剥けた状態になります。 表皮が剥ける以上の深さで皮膚の壊死が進んだ褥瘡発生件数を示しています。

褥瘡推定発生率を示す資料に一般病院は0.21~1.54%1)とありました。 当院は標準の数値より発生率が低く、日頃の予防対策が功を奏していると思われます。 今後も褥瘡発生予防対策をすすめ褥瘡発生しないよう努めてまいります。

1)褥瘡ガイドブック第3版 褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)準拠

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
4,012 3,850 95.96%

栄養状態が悪いと、傷や感染症の治りが遅くなり、治療効果の低下や手術後の合併症リスクが高くなります。 特に高齢の患者さんは、入院中のADLの低下も進みやすく、退院後の生活に大きな栄養を与えます。 当院では、入院患者さん全例に栄養スクリーニングを行い、栄養リスクの患者を抽出しています。 栄養リスクがあると判定された患者さんには、国際的な低栄養の診断基準であるGLIM(Global Leadership Initiative on malnutririon)基準での低栄養診断を行い、低栄養診断の確定、重症度判定を実施しています。 当院では、低栄養状態にある患者さんには、管理栄養士や栄養に関する専門的知識を持ち、多職種で構成された栄養サポートチーム(Nutrition Support Team)が関与して、治療効果が上がるように、栄養状態の改善に努めています。

身体的拘束の実施率
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
77,488 418 0.54%

2024(令和6年)度診療報酬改定では、「身体的拘束を最小化する取組の強化」として、医療機関における身体的拘束を最小化する取組を強化するため、入院料の施設基準に、患者又は他の患者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束を行ってはならないことを規定するとともに、医療機関において組織的に身体的拘束を最小化する体制を整備することが規定されました。 当院では、「身体拘束最小化のための指針」を策定し、やむを得ず身体拘束を行う場合は3要件(切迫性・非代替性・一次性)のすべてを満たした場合のみ、本人・家族への説明・同意を得て行っています。 同時に身体拘束の状況について看護記録に記載し、できるだけ早期に抑制を解除するよう努力を図っています。 また関係職種による身体拘束最小化チームを設置し、担当看護師によりピックアップされた患者の身体拘束解除に向けたカンファレンスを行い、テンプレートへの記載と現場指導を行っています。 当院における2024年6月から2025年5月までの1年間の身体的拘束の実施率は0.54%です。 抑制実施日数は減少傾向にあり、抑制実施実人数も少なくなっています。

更新履歴
2025/9/26
公開
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