2014年5月24日

関野 康 消化器内視鏡外科部長、がん薬物療法専門医を取得

「大腸がんです。手術で切除することはできません。」と告知されたら、誰でも驚き、落胆するでしょう。しかしこれは決して他人事ではなく、意外と身近なことかもしれません。現在日本では、2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで亡くなります。手術できないがんに対しては、抗がん剤が治療の中心になります。日本で増加傾向の大腸がんでは、抗がん剤治療が非常に進歩しました。手術できないほど進行した大腸がん患者さんの平均余命は、有効な抗がん剤治療がなかった頃の約3倍まで延長しています。しかし、抗がん剤は副作用が強く、時には重篤な副作用をもたらします。一方、安易に投与量を減らしてしまうと、今度は効果が得られなくなってしまうため専門的な管理が必要です。この抗がん剤治療を専門的に行うのが、がん薬物療法専門医です。

日本においては胃がん/大腸がんなど消化器がんの抗がん剤治療は、ほとんど消化器外科医が行ってきました。一方、米国では外科医は抗がん剤治療を行わず、腫瘍内科医が専門的に行います。がん患者の増加、抗がん剤治療の進歩等から、日本でも抗がん剤治療の専門医が必要と考えられ、日本臨床腫瘍学会が2006年にがん薬物療法専門医を設定しました。この専門医は消化器がん、血液がん、肺がん、乳がんなどがん全般に携われることを目標としており、がん治療に関して広い知識等が必要になります。がん薬物療法専門医は年々増加しておりますが、まだまだ十分でなく腫瘍内科を標榜している病院はごく少数です。

私の専門は消化器外科であり、消化器がんの抗がん剤治療に携わっており、この4月にがん薬物療法専門医を取得しました。まずは自分の専門とする消化器がんの領域において、看護師、薬剤師、栄養士たちとともに質の高いがん医療を提供し、患者さんの「生活の質」を最大限に大切に、共にがんと闘っていきたいと思います。

消化器内視鏡外科部長 関野 康

関野 康 消化器内視鏡外科部長、がん薬物療法専門医を取得

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