2021年2月8日
介護予防教室を開催しました(1/27)
介護予防教室『転倒予防~運動の紹介と実践~』を開催しました。
今回はリハビリテーション部の六川 恒 理学療法士と竹内誠貴 理学療法士が、高齢者に多い転倒のメカニズムと転倒を予防する体操について解説しました。
高齢者の転倒は、加齢による下肢の筋力低下、バランス障害、視力障害、薬剤の副作用によるめまいやふらつきなどによって起こるとされています。転倒による何らかの骨折で身体機能が低下し、日常生活に支障を来たすことは要介護状態の大きな原因となっています。転倒によりけがをしなくても、歩くことに自信を失ったり恐怖心を感じたりすることで、歩行障害などを起こす「転倒後症候群」となることもあるそうです。竹内理学療法士は、日常生活の中で転倒を予防するため、スリッパやサンダル等の脱げやすい履物を避けたり、室内の明るさや生活動線上の整理(足が引っかかりやすいコードやじゅうたん等)にも配慮する必要があると説明しました。
次に六川理学療法士が、転倒しないための体づくりについて解説しました。武道などのスポーツで重んじられている教訓「心技体」をアレンジし、転倒予防に重要なキーワードとして「心技体+知」を紹介しました。「心」は転倒の危険を認識・判断する力、「技」は体に染み込んだとっさに出る動き、「体」は筋力や体力、動きのスピードを意味しています。これらに加え「知」は、転びやすい場面や体づくりに有効な体操などの知識を学ぶことを表します。
体操の実演では、「心技体」を鍛えるトレーニングを参加者の皆さんと行いました。「心」の体操は胸を張って腰に手を当てたり、腕を高く挙げる簡単なポーズです。これらの“パワーポーズ”をとると自信に関係するホルモン量が増加し、ストレスによるホルモン量が減少するといわれています。「技」の体操は片足立ちや前後左右へのステップ運動で、反復することで習得することができます。「体」の体操ではかかとの上げ下ろしや太もも上げ、スクワットを行い、下肢の筋力アップを図ります。
六川理学療法士は、運動の習慣化のコツとして「ハードルを極力下げてとにかく続けること」と強調しました。カレンダーや手帳に印をつけて達成感を味わったり、時に自分自身にご褒美を与えて楽しみながら続けることも効果的です。参加者の方からは「体操を家族にも紹介して自宅で続けていきたい」「習慣化の話はとても役に立つお話だった」と好評をいただきました。