掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

当院における掌蹠膿疱症治療の現況

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)はなかなか治りにくい疾患であり、お悩みの方も多いと思います。当院では、掌蹠膿疱症の初期治療からエキシマライトなどの光線療法、歯科と連携しての治療や生物学的製剤(バイオ製剤)による治療まで行っています。ここでは、掌蹠膿疱症について病態から治療法に至るまで、簡単に紹介します。

掌蹠膿疱症とは?

「掌」とは手のひら、「蹠」とは足の裏を指します。つまり、手のひらと足の裏に膿を持った袋ができる病気です。ただし、できるのは膿疱ばかりではなく、水疱(水ぶくれ)もしばしば混在します。かさぶたを伴ったり、赤みを伴ったりします。かゆみだけではなく、痛みを伴うことも多く、その性状から汚い印象を与えるのではと、行動に制限がかかってしまうこともしばしばです。

掌蹠膿疱症 掌蹠膿疱症

爪の変形(写真左)を伴うこともしばしばあり、時には手のひらや足の裏以外の場所に発疹が出ることがあります(掌蹠外病変:写真右)。これらの症状は乾癬にも類似しており、時に区別が困難です。

掌蹠膿疱症 掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症では、時に関節症状を伴うことがあります。これを、掌蹠膿疱症性骨関節炎といい、生活に影響する場合もあります。掌蹠膿疱症性骨関節炎では、圧倒的に胸鎖関節(鎖骨の胸側の付け根付近)に炎症を伴うことが多く、腫れて強い痛みを伴うこともあります。

掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症の治療

塗り薬を中心に治療する場合が多く、関節症状を伴うときは消炎鎮痛剤の内服治療を併用することもありますが、症状が強くなるとなかなか効きにくいのが現状です。
このような場合、生物学的製剤であるグセルクマブ(トレムフィア)がしばしば奏効します。基本の投与は、8週間毎(初回のみ4週間毎)で、皮膚症状の他、関節症状にも高い効果が認められています。
このほか、およそ50%の患者さんで歯牙感染(歯の根の部分の細菌性炎症)の影響が指摘されており、歯科治療が奏効することがあります。扁桃摘出で炎症が治まる場合もあると指摘されています。
たばこは絶対的に悪いので、掌蹠膿疱症がある方は、禁煙は不可欠です。

※掌蹠膿疱症や骨関節炎について相談されたい方、バイオ治療を受けてみたいとお考えの方は皮膚科までご相談ください。なお、現在の診療医からの紹介状を持参いただくと、治療等の状況を確認しやすく、円滑な治療につながります。

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