2013年3月29日

下肢静脈瘤とレーザー治療(下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術)

長野松代総合病院では今年(2013年)4月より下肢静脈瘤に対するレーザー手術を開始いたします。皮膚を切開せずに治せる低侵襲な治療法として大変注目されています。本治療は最近(2011年1月)に保険適応が認められた新しい治療法です。また、この治療を行う施設と医師は、学会からの認定を受ける必要があります。この為、長野県内ではごく限られた一部の病院でしか行われておりません。下肢静脈瘤で多くの方がお悩みと存じます。このページをご覧になり、 受診をご検討 下さい。また、本院の 「下肢静脈瘤」のページ も是非ご参照下さい。

手術の概要

下肢静脈瘤の大半は大伏在静脈の逆流によって発症します。この大伏在静脈を膝下あるいは膝上で穿刺して、レーザーファイバーを鼡径部近くまで挿入し、大腿部の大伏在静脈ほぼ全長にわたっての血管内にレーザー照射を行い、大伏在静脈を焼灼します。大伏在静脈はつぶれ、標準手術(ストリッピング手術)ではこの血管を抜去しますが、レーザー手術では焼灼してしまうわけです。大腿部の大伏在静脈はつぶれ、血流はなくなります。血管としての機能はなくなってしまうので、抜去する場合と同等の効果が期待できます。尚、大伏在静脈の焼灼あるいは抜去しても血流障害は来しませんのでご安心ください。

レーザー手術と標準手術の比較
  標準手術 レーザー治療
創 * 2cmほどの創が2か所 ほとんど無い(穿刺で行う)
大伏在静脈 抜去 焼灼
麻酔 局所麻酔、静脈麻酔 局所麻酔、静脈麻酔(少量)
手術適応 多くの症例が対象となる 重症例は適応外
手術中の痛み ごく軽度 ほとんどない
入院期間 1泊ないし2泊入院 1泊入院ないし外来手術
保険適応(費用) あり あり(標準手術より若干高い)
治療効果 確立 同等の有効性が報告

* : 大伏在静脈の抜去あるいは焼灼に加えて、静脈瘤切除を行った場合、1cm以下の小さな創がいくつかできます。

本院では標準手術(ストリッピング手術)も楽に受けていただけるよう工夫して手術を行っています。

血管内レーザー焼灼術の模式図

レーザー治療

レーザーによる下肢静脈瘤の治療(動画・アニメーション)
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