当院について

令和4年度 長野松代総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
  • 患者数・症例数が10未満の場合はハイフン「-」の表示とすることになっています
    • 2.『診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)』
      ⇒「患者数」がハイフンの場合、「平均在院日数(全国)」以外の項目もハイフン表示となります。
    • 7.『その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)』
      ⇒「症例数」がハイフンの場合、「発生率」もハイフン表示となります。
    • 上記以外の集計項目
      ⇒「患者数」がハイフンの場合、それ以外の項目もハイフン表示となります。
1.年齢階級別退院患者数
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 18 116 103 111 208 346 707 1,548 1,489 585

2022年度中に当院を退院した患者さんの、年齢を10歳刻みで集計した患者数です。

当院は長野医療圏の急性期基幹総合病院として、幅広い年齢層の患者さんを診療しています。 少子高齢化という全国的な傾向と同様に、当院の入院患者さんも高齢者の方が多くなっており、今回80歳以上の患者さんの割合は過去最高の39.6%にのぼりました。

2.診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 82 25.40 21.11 13.41 87.13
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 43 17.37 13.61 11.63 83.19
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 33 14.73 14.28 0.00 70.09
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 19 3.16 2.64 0.00 77.47
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 17 19.47 18.57 0.00 74.35

2022年度当院内科での入院患者の上位5疾患の内訳では、2021年度と比較して上位3疾患の変動はありませんでした。 その反面22年度は小腸大腸の良性疾患、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術と間質性肺炎が新たに加わりました。 小腸大腸の良性疾患はポリープに代表される疾患であり、これは当院で消化管内視鏡を積極的に行っていることの結果と考えます。 一方間質性肺炎は聞きなれない疾患だと思います。肺炎と言っても細菌やウイルスなどの病原体で起こる肺炎ではありません。 症状は咳や呼吸困難が代表的です。 原因は「特別の原因がない特発性間質性肺炎」「関節リウマチなど膠原病に関連する間質性肺炎」「薬剤や環境に関係する間質性肺炎」などがあります。 そのため基礎疾患となりえる膠原病や原因薬剤の有無を調べる必要があります。 また間質性肺炎の状態をCTや精密肺機能、6分間歩行試験などで評価する必要があります。 進行性の疾患であり、場合によっては生命に影響します。 治療は、原疾患があればその治療を優先し、特発性間質性肺炎や進行性間質性肺炎では、その進行を遅らせる抗線維化薬の導入も行っています。 いずれも専門外来の受診が必要です。 また上位3疾患は例年通りですが、重要な点は生活習慣病を予防、コントロールすることが誤嚥性肺炎、尿路感染症などを含め、すべての疾患の発症予防につながります。 コロナ感染症も5類対応となり、当院では外来および入院診療を出来るだけコロナ禍前の状態に戻すように努めております。 ですが、一番大切なのは皆さんの日々の努力です。疾患を発症させないこと、そして疾患の早期発見のための検診などです。 当院は健康寿命が伸ばせる医療を心がけております。

神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 15.97 - -
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 18.58 - -
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり - - 14.28 - -
100140xx99x00x 甲状腺機能亢進症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 10.56 - -
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等24あり - - 16.50 - -

手足がふるえ、動きが遅くなるパーキンソン病は、100人に1人と決して少なくない病気です。 肺炎や尿路感染症、ストレスなどで悪化するため、短期間集中リハビリ入院をして内服薬の調整などをします。 一方、発熱・頭痛・頸部痛などで発症する髄膜炎・脳炎・ギランバレー症候群などの急性発症の病気や、悪化を予防することが必要な多発性硬化症は、早期発見、早期治療が大切です。 専門医が常にいる病院であれば検査、治療が早く行えます。 当院は24時間体制で髄液検査が行えます。

神経内科には数時間~数日の急性期治療と数年~数十年の慢性期治療の重要な病気が混在し、いずれも検査、点滴治療、リハビリが重要です。 特に慢性期治療は、長野市内・長野県内の急性期病院とリハビリ病院などが連携を取り合った上で治療が受けられるようになっています。

呼吸器・感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 38 0.00 21.11 0.00 0.00
030250xx990xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1なし 38 0.00 3.24 0.00 0.00
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 29 0.00 2.03 0.00 0.00
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 25 0.00 18.57 0.00 0.00
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 0.00 3.05 0.00 0.00

高齢化社会を反映して、入院患者の平均年齢は当科でも上昇の一途をたどっています。 加齢による嚥下機能の低下は誤嚥性肺炎を引き起こす要因となります。 介護者も高齢・単身である割合が増えており、退院調整に多くの力を注いでいますが2020年から始まったCOVID-19流行に伴い、他院転院や施設入居までの待機期間が今まで以上に長期化し、待機期間の間に他疾患を併発することも多く高齢者診療はさらに複雑化しています。 面会制限のために、家族への介護手技教育も困難になりました。 また呼吸器科に特化した疾患として、睡眠時無呼吸症候群、間質性肺炎、肺がんの診療も行っています。 高齢者であってもADLが保たれている方にはCPAP、抗がん剤、抗線維化剤等の治療を積極的に導入する傾向はさらに強まっています。 高齢者は疾患そのものに伴う併発疾患発症率も、免疫抑制をおこしうる治療に伴う日和見感染発症率も高く、その管理のために入院期間が長期化する傾向があります。 特に肺アスペルギルス症に代表される真菌感染症は診断や治療が困難な場合が多く、外科治療も含めた集学的治療を早期から検討する必要があります。

循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 49 23.12 17.54 8.16 84.22
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 11 17.73 13.61 0.00 88.64
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 9.89 - -
050050xx9900x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 - - 6.39 - -
050130xx9901xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり - - 18.55 - -

心不全の療養では安静が必要ですが、活動性の低下による筋力の低下を最小限に抑えるため、当院では入院翌日からベッド上で心臓リハビリテーションを開始しています。 運動療法を適切に行う事で健康寿命の延長が期待できます。 虚血性心疾患に対するカテーテル治療後も同様で、理学療法士とともに適切な運動療法を実施し、退院後も継続していただけるよう指導しています。 高齢者が多く、療養型病院や他の急性期病院へ転院となる場合があります。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 198 3.02 2.64 0.00 79.23
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 64 3.89 7.63 0.00 78.86
100120xx99xxxx 肥満症 手術なし 64 12.22 14.43 0.00 49.02
060035xx99x0xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし 46 2.13 8.36 0.00 80.02
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 40 10.20 7.76 0.00 73.70

当院消化器内科では、上部・下部内視鏡検査、腹部超音波検査、CT、MRI、内視鏡的胆管膵管造影検査を積極的に行い、食道・胃・大腸・肝臓・胆管・胆嚢・膵臓疾患の発見に努めています。 消化管出血への止血術や総胆管結石採石術、早期食道がん、早期胃がん、大腸早期がんの内視鏡的切除、肝腫瘍に対するラジオ波焼灼法、閉塞性黄疸に対する内視鏡的ステント留置術も症例に応じ行っています。 また、切除不能な進行がんに対する化学療法や緩和療法も行っています。 また、高度肥満症に対する専門医治療も積極的に行っています。

小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし - - 6.13 - -
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 5.71 - -
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 6.05 - -
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 11.15 - -
180020xxxxxxxx 性感染症 - - 9.89 - -

小児科一般の疾患に対して、入院治療を行っています。 家族の負担などを考慮して、可能な限り早期退院できるようにしており、平均在院日数は全国平均より短くなっています。

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 66 4.50 4.59 0.00 72.32
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 28 16.61 15.40 0.00 73.89
06007xxx9908xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等28あり 25 4.20 5.46 0.00 75.48
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 22 7.82 6.93 0.00 70.23
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 20 4.30 4.44 0.00 68.40

鼠径ヘルニア、胆石症、胆石性胆のう炎や虫垂炎は頻度の高い疾患で、当院では高齢者の患者さんが多いのが特徴です。 救急部門と外科の連携により迅速な対応をとっており、治療患者数の多い疾患となっています。 進行・再発大腸がん(結腸がん・直腸がん及び胃がん)に対しては積極的な化学療法を行っています。 化学療法センターでの外来治療も行っていますが、特に高齢者では入院で化学療法を行うことで、多職種によるきめ細やかな管理が可能となり、より安全に治療が継続でき、生存期間の延長にも寄与しています。 化学療法を受けられる患者さんの平均在院日数は全国平均より短くなっています。

乳腺・甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 39 16.31 9.99 0.00 70.79
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 21 11.76 5.67 0.00 66.33
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 15 4.87 3.66 0.00 60.27
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり - - 4.04 - -
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1なし - - 8.06 - -

乳がんは女性に発生するがんの第1位で、年間約6万人が発症し約1万人が死亡しています。 当院ではマンモグラフィ、超音波検査による1次、2次検診も全て引き受けており、年間の症例数はかなり多くなっています。 乳がんの治療は、専門医を中心としたセンターで行っています。乳房再建は1次、2次を行っています。 比較的早期あるいは早期に近いがんが多く、当院の乳房温存率は約60%となっています。術後の合併症も無く、内分泌化学療法を行って予後の向上に努めています。 再発された方に対しては、心のケアを含めた緩和ケアも行っています。 術後のリハビリテーションや化学療法も合わせて行うこともあるので、在院日数は少し長くなっています。 甲状腺がんは、 乳頭がんが95%以上を占めるため10年生存率は95%以上と良好です。合併症はほとんどありません。

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 117 12.29 13.19 0.00 29.01
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 89 35.47 22.44 1.12 74.66
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 75 30.47 20.14 0.00 67.39
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 74 24.54 20.09 24.32 82.77
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 67 45.01 26.42 26.87 83.00

2022年度は関節鏡を用いた膝の手術で入院する患者さんの数が前年比3割以上の大幅な増加となりました。 コロナ下でスポーツを自粛していた方たちが活動するようになった影響に加え、軽微な受傷機転の増加から考えると、長い自粛による運動能力の衰えも理由として考えられました。 2番目と3番目にはそれぞれ人工膝関節と人工股関節の置換術の症例となりました。 症例数自体も前年度より増加しており、やはり患者さんの活動性が上がった影響や、コロナ下で待機手術は延期される傾向にあった影響などが要因として考えられました。 人工膝関節置換術(人工関節)・骨切り術(矯正手術)・前十字靭帯再建術・半月板の手術に代表される手術において、当院には長年にわたる実績があり、専門医および医療スタッフが治療にあたっており、県外からも多くの患者さんが受診しています。 人工関節や骨切り術を受ける患者さんは変形性膝関節症や関節リウマチの患者さんが多く、靭帯再建や半月板手術の患者さんはアスリートや学生が多い傾向があります。 年齢的なものもあって変形性関節症や関節リウマチの患者さんの入院はやや長めですが、靭帯再建や半月板手術の患者さんは術後早期に退院して学業や仕事に復帰しています。 いずれの場合も術後に転院となるケースはほとんどありません。

4番目は高齢者の脊椎圧迫骨折です。症例数は前年度とほぼ同数で、大きな変化は見られませんでした。 長引くコロナ下でデイサービスやリハビリテーションなどを含めた運動や外出する機会が減った影響もあって、2021年度は股関節や大腿骨近位の骨折が第1位でしたが、徐々に高齢者の体力も回復傾向にあるためか、2022年度は症例数も減少して第5位になりました。 この2群は平均年齢からもあきらかなようにかなり高齢で体力も衰えた症例が多いので、入院期間も必然的に長くなりますが、それでも十分な回復には時間がかかるため、他院に転院となることもまれではありません。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 29 46.76 15.97 13.79 73.93
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 17 44.24 11.85 23.53 82.94
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 36.75 8.54 16.67 71.00
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 11 51.91 19.58 18.18 79.00
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 17.76 - -

地域の基幹病院として脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷を中心にすべての脳神経外科疾患において専門的治療を実施し、予防活動も積極的に進めています。 急性期の脳梗塞に対するエダラボンによる治療が最も多く、発症早期からの治療を行っています。 平均年齢が高く心不全や呼吸障害を合併している患者さんもいため、リハビリ治療に時間を要し、平均在院日数が長めです。 急性期治療後は更にリハビリテーションを継続するため回復期や療養病床へ移る患者さんもいます。 慢性硬膜下血腫に対する血腫穿孔洗浄術も積極的に行っています。 他にも頭部外傷、脳出血、脳循環不全の患者数も多くなっています。

皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし - - 13.50 - -
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1なし 定義副傷病なし - - 10.74 - -
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 9.25 - -
080090xxxxxxxx 紅斑症 - - 10.58 - -
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2なし - - 28.56 - -

当院皮膚科では、通院治療が主体です。 かつて入院することが多かった高齢者の帯状疱疹も、治療薬の改善や鎮痛療法の進歩などにより、通院で治療できることが多くなりました。 今日、入院対象となる帯状疱疹は、それでも痛みなどの症状が強い場合や、排尿障害などの合併症がある場合などにほぼ限られています。 皮膚の良性・悪性腫瘍などで手術目的に入院する例もかつては多くありましたが、最近は形成外科に依頼することが多くなっています。

入院事例の多い膿皮症は、そのほとんどが蜂窩織炎で、四肢などの軟部組織に細菌感染を起こした方です。 そのほか、薬剤過敏症やハチ刺されにともなうアナフィラキシーショックなどで入院される方がおられます。 これらの疾患については、内科や整形外科・形成外科での入院となる場合もあります。 入院期間は、必要最低限とすることを目標としており、全身的な問題が改善し在宅療養が可能となった時点で基本的には退院としています。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 87 8.97 7.82 0.00 71.87
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 72 7.04 5.29 0.00 62.38
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 67 3.03 2.45 0.00 73.18
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 54 7.67 6.85 0.00 76.33
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 28 20.32 13.61 10.71 81.82

当科ではレーザーを用いた先端治療を行っています。 尿管結石に対してはf-TUL(エフ - ティーユーエル、軟性尿管鏡を用いたレーザー手術)を行っています。 体外衝撃波結石破砕手術(ESWL、イーエスダブルエル)は比較的簡単な治療ですが、結石の大きさや固さによって治療効果にばらつきがあり、複数回の治療が必要になることも少なくありません。 TULの利点は確実な砕石、結石の摘出がその場でできる、などがあります。 前立腺肥大症に対してはHOLEP(ホーレップ、経尿道的レーザー前立腺核出術)を行っています。 利点として、出血が少ないため輸血の可能性が低い、大きな前立腺でも治療できる、再発が少ない、などがあります。 また、膀胱腫瘍に対しては初期治療として経尿道的切除術(TUR-Bt)を行っています。

心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 13 2.00 2.66 0.00 64.46

下肢静脈瘤の専門外来を開設しています。 血管内塞栓術(グルー治療)、血管内レーザー焼灼術、硬化療法(静脈瘤内に硬化剤を注入して静脈瘤をつぶす方法)、の主に3種類の治療法の中から、患者さんに最も適した治療を選択して治療を行っています。 平均在院日数は全国平均より短くなっています。 必要に応じて他科の医師と協力して診療にあたっています。

産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
060130xx9700xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) その他の手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 11.49 - -
120140xxxxxxxx 流産 - - 2.45 - -

当科の患者さんは高齢者が多く、骨盤臓器脱患者(膀胱瘤、子宮脱等)等には手術療法を考慮しますが、患者さんのQOLを考慮してペッサリー療法で外来管理している患者さんも多くみられます。 一般的な婦人科腫瘍に関しては、腹腔鏡手術の普及とともに減少していますが、子宮頸部上皮内腫瘍に関しては積極的に子宮頸部(円錐)切除術を選択しています。 人間ドックや婦人科検診を推進させて予防医学にも努めています。

眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 194 2.97 2.63 0.00 75.23
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼 - - 5.07 - -
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - 5.80 - -
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり片眼 - - 5.18 - -
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2なし片眼 - - 6.31 - -

当科では白内障、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの幅広い眼科疾患に対応できるよう診療体制を整えています。 眼科専門病院にて治療が必要な場合には、随時ご紹介させて頂きます。 また総合病院における眼科の役割として、他科と連携を取りながら全身疾患に関わりのある眼科疾患について診療を行っています。

耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 33 5.82 4.79 0.00 70.45
030428xxxxxxxx 突発性難聴 32 9.69 8.56 0.00 58.31
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 31 5.26 6.23 0.00 54.03
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 17 6.76 5.69 0.00 39.24
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 11 5.91 7.73 0.00 16.09

入院は、扁桃炎からめまい、突発性難聴と耳鼻咽喉科全般の疾患を取り扱っております。 当科では内耳障害の治療も行っています。

形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 13 2.54 2.90 0.00 71.54
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 10 10.50 7.29 10.00 80.90
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし - - 13.50 - -
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし - - 4.50 - -
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.11 - -
  • 眼瞼下垂
    下垂の生じる原因に応じて適切な手術方法を選択しています。腱膜性の眼瞼下垂症では、ゆるんでいる腱膜を瞼板に糸で固定し直すことで、まぶたが開けやすくなります。
  • 皮膚悪性腫瘍
    腫瘍切除により大きな組織欠損が生じる場合には、皮弁法や皮膚移植により傷をふさぎます。整容面に配慮した治療を行っています。
  • 膿皮症(蜂巣炎、蜂窩織炎)
    皮膚や脂肪に炎症を起こす蜂巣炎(蜂窩織炎)に対しては、抗菌薬の点滴、安静、冷却処置を行います。手術が必要となる壊死性筋膜炎との鑑別が重要となるため、慎重に経過をみていきます。
  • 骨軟部の良性腫瘍(皮下腫瘍、脂肪腫)
    なるべく目立たない傷跡になるよう切開、摘出し、縫合法を工夫してアフターケアを行っています。
  • 睫毛内反症(逆さまつげ)
    先天的あるいは加齢などにより後天的に生じた逆さまつげに対して手術を行っています。眼のチクチクする痛みや目脂などの症状が改善します。
3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 54 - - - - 25 1 8
大腸癌 31 11 20 51 - 27 1 8
乳癌 50 21 - 10 - - 1 8
肺癌 11 - 25 53 - 13 1 8
肝癌 15 12 16 - - 17 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

日本で最も罹患数の多い5つのがん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)について病期(ステージ)毎の延べ患者数を集計しています。 延べ患者数による集計のため、同一の患者さんが複数回入院した場合はその回数分が計上されています。 例えば大腸癌の再発患者さんは27人となっていますが、実患者数では7人です。 表に示したがん以外にも、甲状腺がん、膵がん、胆道がん、膀胱がん、腎がんのほか様々ながんに対して、それぞれの専門医が診療にあたっています。 当院は日本がん治療認定機構から認定研修施設として認定されています。

また、より安心で質の高いがん医療を目指し、外科治療、化学療法、緩和療法を受けるすべてのがん患者さんを対象に、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、医療ソーシャルワーカー(MSW)などがチーム体制をとる「がんサポートセンター」を設置し、患者さんおよびご家族を、他職種によるチームが様々な方向から支援しています。 緩和ケアチームも設置しています。外来化学療法センターは安全かつプライバシーに十分配慮した環境となっています。

4.成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 15 11.93 55.60
中等症 64 22.63 83.69
重症 11 34.55 88.18
超重症 - - -
不明 - - -

市中肺炎の重症度(軽症、中等症、重症)はA-DROPなる指標で検討されます。 5つのチェック項目すなわちA(Age、年齢、男性70歳以上、女性75歳以上)、D(Dehydration、脱水あり)、R(Respiration、低酸素血症)、O(Orientation、意識障害あり)、B(Blood Pressure、収縮期血圧90mmHg以下)の頭文字をつなげたものです。 この表のようにスコア0(いずれも当てはまらない)を軽症(外来治療)、1~2を中程度(外来または入院治療)、3を重症(入院治療)、4~5を超重症(ICU治療)としています。 この重症度をもとに、推奨される治療を行っています。 当院の2022年度の状況は、肺炎患者は94名で2021年度の146名から52名減少しています。 これは2022年において新型コロナ感染症対策として、マスク着用、手洗いの励行などにより、超高齢化社会においても市中肺炎の予防効果があったことも考えられます。 本指標は内科以外の診療科の患者数も含めた数です。また、厚生労働省が定める基準による算出は、実際の患者数より少なく計上されます。 更には誤嚥性肺炎やコロナ関連肺炎は含まれていない事に留意する必要もあります。

高齢者や寝たきりの方では、誤嚥性肺炎は死亡原因の第一位です。 コロナ感染症第8波では、コロナ感染症は軽症でも高齢者の方は誤嚥性肺炎でお亡くなりになっている方も多くいらっしゃいました。 これからも一人ひとりが出来る感染対策を行っていただければと思います。

5.脳梗塞のICD10別患者数等
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均
年齢
転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内 116 48.31 80.65 15.91
その他 16 51.56 77.00 2.27

脳卒中の急性期治療を担っており、脳梗塞などの発症日から3日以内に入院される患者数が多いデータとなっています。 超急性期治療のrt-PA静注療法や早期リハビリテーションも行い、早期回復、症状軽快を目指して治療を行なっています。 TIA(一過性脳虚血発作)やVBI(椎骨脳底動脈循環不全症)などの脳卒中前駆症状の患者さんも多く診ています。

6.診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 26 2.58 1.85 0.00 76.50
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 12 36.25 33.42 41.67 84.75
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 - - - - -

入院中は他科の専門医と協力して診療にあたっています。 大腸ポリープに対する内視鏡的切除、脳梗塞後遺症の患者さんへの胃瘻造設等を、消化器内科や泌尿器科などと連携して行っています。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 195 1.09 1.15 0.00 79.49
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 39 1.00 8.38 0.00 73.41
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 29 0.97 7.10 0.00 69.07
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 12 1.75 12.67 8.33 81.42
K697-32ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cmを超える)(その他) 11 1.00 4.18 0.00 72.45

当院消化器内科では、上部・下部内視鏡検査、腹部超音波検査、CT、MRI、内視鏡的胆管膵管造影検査を積極的に行い、食道・胃・大腸・肝臓・胆管・胆嚢・膵臓疾患の発見に努めています。 消化管出血止血術や総胆管結石採石術、早期食道がん、早期胃がん、大腸早期がんの内視鏡的切除、肝腫瘍に対するラジオ波焼灼法、閉塞性黄疸に対する内視鏡的ステント留置術も症例に応じ行っています。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 50 1.00 2.34 0.00 71.76
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 41 1.54 5.02 0.00 69.05
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 23 3.04 13.78 0.00 71.74
K6335 鼠径ヘルニア手術 15 1.47 2.47 0.00 72.80
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 13 0.85 5.23 0.00 49.46

当科における手術件数順に、腹腔鏡下鼡径ヘルニア手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術となります。 鼡径部ヘルニアは一般的に頻度の多い疾患です。 腹腔鏡手術では前日入院、手術後2~3日で退院・社会復帰可能であるため、手術希望者には迅速に対応しており、結果 手術件数が多くなっています。 胆石症や胆嚢炎は生活習慣の変化などに伴い年々増加しており、腹腔鏡下での手術患者さんが増えています。 当院では急性胆嚢炎に対してはガイドラインに準じ早期手術を導入しています。 結腸悪性腫瘍(結腸がん)に対しては原則としてステージIIIまでは腹腔鏡下手術の適応としております。 術後の回復が従来の開腹手術に比べて早く、高齢者でも2週間以内の早期退院が可能となっています。

他には、腹腔鏡下の虫垂炎手術、胃がんに対する胃切除・胃全摘術、胆道がん・膵がんに対する膵頭十二指腸切除、肝がんに対する肝切除など高難度手術を安全に行い、良好な成績を得ています。

乳腺・甲状腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)(腋窩部郭清を伴わない) 25 2.00 11.08 0.00 71.56
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術)(腋窩部郭清を伴わない) 21 1.71 9.05 0.00 66.33
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術)(胸筋切除を併施しない) - - - - -
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術)(腋窩部郭清を伴う) - - - - -
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm以上) - - - - -

乳がんで高齢者あるいは合併症等で全身麻酔下で出来ない症例も有り、局所のコントロールを目的に局所麻酔下で行う方もいます。 悪性腫瘍か良性腫瘍の確定診断のために行う腫瘍切除術も、入院にて安全に行っています。 乳がんの患者さんの平均年齢は、全国平均と比べて高くなっています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 178 2.58 30.38 1.12 71.56
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 87 1.00 12.26 0.00 29.54
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 67 4.15 37.01 26.87 79.99
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 41 1.24 8.51 2.44 64.71
K068-2 関節鏡下半月板切除術 33 0.36 3.52 0.00 38.00

2022年度の手術症例数トップ5は、前年とほぼ同様の術式になりました。

当院の整形外科は、人工関節センターで一貫した治療を行なっており、20年以上にわたり年間 約200例近くの実績があります。 両側同時手術も多く行っていますので、実際の手術件数は上記の患者数よりも多くなっています。

2番目に多いのは スポーツ外傷に対する前十字靭帯再建術で、もともと熱心にスポーツをしている元気な方が多いので、手術後の社会復帰も早く、転院はほぼありません。

次いで多いのは骨折した患者さんへの観血的手術です。 転倒を契機とした受傷が多く、高齢で体力の衰えた方が多いので、手術が危険な場合も少なくなく、全ての方に手術することはできませんが、可能な患者さんには手術治療を積極的に行っています。 高齢による易転倒性や骨粗鬆症が背景にあることを考慮して、適切に状態を評価して術後にリハビリを患者さんに合わせて行っています。 術後の身体能力の回復に時間がかかる場合が多く、半数の方は退院後も訓練を要するため、リハビリテーション主体の病院へ転院されることもあります。 手首などの骨折に対する手術症例では、リハビリは通院で行うことが一般的で入院期間は短くなっています。

5番目は主にスポーツ外傷に対する半月板切除術です。 十字靱帯の患者さん同様、手術後の社会復帰も早く、転院はほぼありません。

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 19 2.47 44.26 15.79 83.00
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) - - - - -
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 - - - - -
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -

当科は慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術や動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈)、脳動脈瘤頸部クリッピング手術などが多くなっています。 脳卒中の患者さんが多いため関連する手術件数が多く、予防的外科治療も行なっています。 脳腫瘍の摘出や、正常圧水頭症に対するシャント手術なども積極的に行っています。

泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの) 88 1.83 6.48 0.00 71.75
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 72 1.61 4.86 0.00 62.51
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 55 2.20 4.82 0.00 76.33
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 20 0.90 8.20 20.00 78.60
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 - - - - -

当科ではレーザーを用いた先端治療を行っています。

尿管結石に対してはf-TUL(エフ - ティーユーエル,軟性尿管鏡を用いたレーザー手術)を行っています。 体外衝撃波結石破砕手術(ESWL,イーエスダブルエル)は比較的簡単な治療ですが、結石の大きさや固さによって治療効果にばらつきがあり、複数回の治療が必要になることも少なくありません。 TULの利点は確実な砕石、結石の摘出がその場でできる、などがあります。 前立腺肥大症に対してはHOLEP(ホーレップ,経尿道的レーザー前立腺核出術)を行っています。 利点として、出血が少ないため輸血の可能性が低い、大きな前立腺でも治療できる、再発が少ない、などがあります。 また、膀胱腫瘍に対しては初期治療として経尿道的切除術(TUR-Bt)を行っています。

心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 13 0.00 1.00 0.00 64.46

下肢静脈瘤の専門外来を開設しています。 血管内塞栓術(グルー治療)、血管内レーザー焼灼術、硬化療法(静脈瘤内に硬化剤を注入して静脈瘤をつぶす方法)、の主に3種類の治療法の中から、患者さんに最も適した治療を選択して治療を行っています。 平均在院日数は全国平均より短くなっています。必要に応じて他科の医師と協力して診療にあたっています。

眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 193 1.02 0.96 0.00 75.20
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) - - - - -
K2686 緑内障手術(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術) - - - - -
K279 硝子体切除術 - - - - -

当科では白内障、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの幅広い眼科疾患に対応できるよう診療体制を整えています。 眼科専門病院にて治療が必要な場合には、随時ご紹介させて頂きます。 また総合病院における眼科の役割として、他科と連携を取りながら全身疾患に関わりのある眼科疾患について診療を行っています。

耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 21 1.00 3.38 0.00 55.05
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 11 1.00 3.27 0.00 54.55
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) - - - - -

当科では慢性副鼻腔炎などに対する、内視鏡下鼻・副鼻腔手術に力を入れております。

形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 10 0.30 7.80 20.00 80.80
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) - - - - -
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - -
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) - - - - -
K333 鼻骨骨折整復固定術 - - - - -
  • 皮膚悪性腫瘍
    腫瘍切除により大きな組織欠損が生じる場合には、皮弁法や皮膚移植により傷をふさぎます。整容面に配慮した治療を行っています。
  • 眼瞼下垂症手術(その他)
    まぶたの皮膚が余剰になり、目を覆うようになると視界の妨げになります。皮膚を切り取ることで眼が開けやすくなります。
  • 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
    まぶたを開けるための挙筋腱膜が弱ったり、本来ある位置からはずれてしまっていることが原因で下垂が生じている場合には、腱膜を瞼板に固定することで、まぶたが開けやすくなります。
  • 眼瞼内反症手術(皮膚切開法)
    まぶたの皮膚を切開し、眼球に接している睫毛が外向きになるよう糸で縫合します。
  • 鼻骨骨折整復固定術
    成人では局所麻酔下に、小児では全身麻酔下に徒手整復術を行います。
7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 12 0.23
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 14 0.27
異なる - -

「播種性血管内凝固(DIC)」とは、様々な基礎疾患を原因として血管内に血栓を形成し、それにより凝固因子が消費されて、その結果出血傾向を呈する重篤な病態です。

「敗血症」も、尿路感染などの感染症を起因として、菌が血中から全身にまわる重篤な病態です。

「その他の真菌感染症」は呼吸器や尿路などへの菌症感染症の患者さんが含まれます。

「手術・処置等の合併症」は後出血、人工関節脱臼、術後創部感染などの偶発的な病態です。 入院後にこれらを来す事はまれですが、医療は本質的に不確実性があるため、可能性はゼロではありません。 合併症や偶発症が起これば、治療に最善を尽くしてまいります。

更新履歴
2023/9/27
公開
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長野松代総合病院

〒381-1231

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