歯科口腔外科・顎機能再建インプラントセンター

診療科の特色

当科は、1996年に開設、地域歯科診療支援病院として診療を行っております。 また2012年5月より「顎機能再建・インプラントセンター」を併設し、腫瘍や外傷・骨髄炎などで顎骨欠損が生じた患者さんの顎形態に応じたチタンメッシュトレーやデンタルインプラントを用いて顎骨の再建を行っております。現在は口腔外科疾患を中心とした診療を行っている為、一般的な歯科治療(虫歯の治療、義歯の作製・調整、歯周病の治療等)は、近隣の歯科診療所へ依頼をさせていただいております。地域の診療所との連携は良好で紹介率は50%を超えており、病院歯科口腔外科として診療所との機能分化に努めております。

対象疾患

頭頚部腫瘍、顎変形症、顎顔面領域の外傷、顎関節症、デンタルインプラント、口腔内科的疾患、口腔粘膜疾患、歯性感染症、抜歯など 口腔外科分野全般

得意分野

頭頚部腫瘍

良性腫瘍から悪性腫瘍に至るまで腫瘍切除、再建外科を含めた手術療法を行っております。病状により、化学療法などを併用することで良好な成績を得ています。

顎変形症

下顎前突症、上顎前突症、口唇口蓋裂などの顎変形症患者に対し、近隣の矯正歯科専門医と連携し、外科矯正部門を担当しています。上下顎どちらか、またはその両方を手術することにより咬合の改善、顔貌の改善を得ています。

顎顔面領域の外傷

顎顔面の裂傷、歯の脱臼などの外傷に対し救急対応で処置を行っています。また、顎顔面の骨折に対しては、必要に応じてチタン製プレートを使用した手術を行い、治療期間の短縮に努めています。

顎関節症

顎関節症に対しては、保存的治療と外科的治療を行っております。リハビリテーション部と連携した理学療法や、マウスピース、薬物療法などの保存的治療を3～6カ月行うことで多くの方の症状が消退します。しかし、保存的治療で治らない場合、顎関節内視鏡手術などの外科的治療を行うことで良好な結果を得ています。

デンタルインプラント

インプラント治療は、CT検査、治療計画の立案、インプラント埋入手術、骨造成手術、上部構造の作製に至るまで、オーダーメイドの治療を行っております。 主治医からの紹介の場合は、画像検査や手術部門において分担し担当することも可能です。

口腔内科的疾患

1. 舌痛症
   器質的異常の有無、血液検査、細菌検査等の結果から有効な治療法を選択しています。
2. 口腔乾燥症(ドライマウス)
   血液検査、画像検査、組織検査などを行い、原因の検索を行います。必要に応じて眼科や内科と連携を取っています。唾液分泌促進剤や、人工唾液などにより改善を図っています。

短期(1泊2日)入院手術

当科では、基礎疾患(脳血管疾患、循環器疾患等)を有する患者さん、高齢で通院困難な患者さん、歯科恐怖症の患者さん等の口腔外科手術、通院期間の短縮を望まれる患者さんなどの多数歯の抜歯を入院下で行っております。麻酔法は一般的な局所麻酔から必要に応じて静脈麻酔(静脈内鎮静法)を行い、心電図など全身のモニター監視を行いながら、手術侵襲の大きい患者さんに対してより安全に行えるよう努めています。

おもな手術とその件数

2022年度手術実績
局所麻酔手術: 1,082件 全身麻酔手術: 79件
主な手術件数
顎骨嚢胞・腫瘍: 131件、顎顔面外傷： 34件、デンタルインプラント： 23件、顎変形症： 8件、顎関節手術: 11件

診療体制

歯科医師 3名による外来診療を毎日行っています。

診療最前線

知っておきたい診療技術

スタッフ紹介